日本は豊かな文化を持つ国ですが、その文化に伴ってたくさんの風習があります。今日の記事では、節分行事のあれこれについてご紹介しましょう。
日本は今や、漫画やアニメで世界的に有名ですが、漫画やアニメが日本で最も面白いものだと考えているとしたら、それは大間違いかもしれませんよ。
もちろん、日本は美しい寺院や、桜や秋の季節などでも有名です。しかし、そうした文化的な名所以外にも探ってみると、あまり知られていない夥しい数の伝統文化があることにすぐ気づくことでしょう。美しいものや変わったものなど、そのすべてが面白くて刺激的です。
昨今知っておくべきそうした伝統文化のひとつが、「節分」という日本の祭りです。
日本の祭り
日本にはたくさんの祭りがあります。日本のカレンダーを見れば、ほぼ毎月そうした祭りがあることがわかります。その中には比較的規模が大きくて重要なものがあり、節分とは、そうした人気行事のひとつです。
2月の4日か5日に行われる節分とは、「季節の区切り」を意味し、太陰暦の年の始まり、そして春の初日を祝うものです。寒い2月の初めに春という感じはしないかもしれませんが、日本の旧暦ではそうなるのです。
節分は、「国民の祝日」ではありませんが、その祝い行事は間違いなくこの日を祝日のように感じさせてくれます。節分には特別な食べ物があり、鬼の恰好をして節分豆を投げるというようなこともします。(これについて詳しくは後ほど!)
節分の起源は?
日本の節分行事について、その歴史を簡単に説明しましょう。日本の多くの祭りと同じく、節分の起源は中国にあり、日本には8世紀に伝えられました。
太陰暦の年初めである節分は、霊や鬼が物質世界に最も近づく時であると考えられていました。そのため、この行事の多くは、望ましくない「邪悪な」霊を追い払うというものでした。
ここで、現代の節分行事の中ではほぼ廃れてしまった伝統習慣をいくつか見ていきましょう。
道具をすべて屋内に入れる
神道では、すべてのものに魂が宿ると信じられています。人、動物、自然だけでなく、農作業用具といった「物」にまで魂があると考えられていました。かつて節分の日には、それらの魂を喜ばせるため、そしてまた、悪い霊がそれらに干渉しないようにするためにも、そうした道具を屋内に入れる習慣がありました。
「逆」の服を着る
節分の祝い方として、自分とは逆の服を着ることもかつてはよく行われていました。たとえば、若い女性が年配の女性の服を着たり、その逆を着たりというように。男女を入れ替えた服装をするのが流行った時代もあり、その風習は今でも、一部の芸者社会の中で節分を祝うときに見ることができます。
現代の節分、節分豆
今日では節分は、主に節分豆を撒く行事となっています。では、節分豆とは何でしょう。一般的には大豆を炒ったもので、日本では1月の間中それが売られており、福を呼ぶ豆という意味の「福豆」としてよく宣伝されています。
この風習は「豆撒き」と呼ばれ、「鬼は外」と叫びながら、福豆を玄関の外へ撒きます。「鬼は外へ出ていけ!」、「鬼を追い払え」という意味です。そして、さらに家の中にも豆を撒きながら、「福は内」と叫びます。「幸福は家の中へ」という意味です。
その後、多くの人が「福は内」の豆を食べます。自分の年齢と同じ数の豆を食べることになっていますが、余分に豆を食べるとその分寿命が延びるかもしれません。
日本の多くの店では、小袋に入った「福は内」用の節分豆を売っており、これは小袋のまま投げることができます。もしも床から豆を拾って食べるのが心配なら、この「福は内」用の節分豆をお試しあれ。
家族のひとり(通常はお父さん)が鬼の恰好をして、豆を撒く人を家の中で追い回したりもします。その後、家族は鬼を玄関の外へ追い出し、すべての邪気を家から首尾よく追い払うということになります。
節分の巻き寿司
節分を祝う方法としてもうひとつ、「恵方巻き」を食べるというものがあります。主に関西風の節分といえる大阪生まれのこの風習は、瞬く間に日本中で人気の節分行事となっています。
今では、日本全国のスーパーで節分用の巻き寿司を売っています。 これは切り分けられていない大きな巻き寿司で、通常は「吉」の方角を向きながら、なんと「黙ったまま」食べます。この吉の方角は、その年の干支によって定められています。
寅が今年の干支です。これはつまり、今年の節分がより強力になるということです。寅は何百年にもわたり、邪気を払う霊的な守護動物とされてきたからです。
古くからのものであれ、新しいものであれ、この日本の節分行事は楽しさ満載です。時間をとって、ぜひご自身で体験してみてください。もし日本にお住まいなら、通常は地域の神社でなんらかの行事が行われることでしょう。参加してみてはいかがでしょうか。
楽しい節分を!