日本に来て、仕事で車を運転することになったというときには、交通規則や標識など、母国とは違うことばかりで不安に感じるかもしれません。スムーズに運転できる所もいれば、難しい所もあります。しかし、特に田舎では、生活するには車はなくてはならないものです。この記事では、運転免許を日本で申請する前に、知っておくべきことをいくつか紹介します。
国際運転免許証
日本では 出身国を問わず、万人に国際運転免許証を携帯することが求められます。国際運転免許証は 母国以外の国で運転をするときに、仮の運転免許証という位置づけで、携帯が義務づけられています。有効期間は1年間です。運転するときは、国際運転免許証と母国の運転免許証を携帯する必要があります。もし、これらを持たずに車道を運転した場合は、警察に捕まり、罰金を払うことになります。警察の事情聴取には、数時間かかることもありますので、運転するときには、忘れずに携帯するようにしましょう。
1年以上滞在する場合は、日本の運転免許証を取得する必要があります。ただし、出身国や地域によっては、取得しなくてもよい場合があります。
アメリカ-
アメリカ出身の方が日本の運転免許証を取得したいという場合は、10問ほどの筆記テストと運転免許試験をクリアする必要があります。これは、ほとんどのアメリカ人にとってかなりハードルが高く、とても難しいものになります。必ずしも、米国の全ての州に該当するわけではありませんが(メリーランド州やワシントン州は該当しない)、日本で運転する場合は、現地で有効な運転免許証を取得しておく必要があります。
オーストリア、カナダ、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、アイスランド、イタリア、アイルランド共和国、韓国、ニュージーランド、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スウェーデン、英国
上記の国の出身者は、単に自国で取得した運転免許証を持参すれば、それで済みます。自国の運転免許証を日本でも使えるようにするには、少額ではありますが手数料が発生します。手数料を払えば、その日から使えるようになります。
ベルギー、エストニア、フランス、ドイツ、モナコ、スイス、台湾
上記の国の出身者は、自国から持ってきた運転免許証をそのまま使うことができます。現行の、自国で発行された運転免許証を持っていれば、何の問題もありません。
申請するための書類に、必要事項を記入する
運転免許センターで日本の運転免許を申請したい場合、申請を行う前にいくつかやるべきことがあります。まず、パスポート、国際運転免許証、ライセンスを準備してください。そして 申請書類に必要事項を記入し、そこに過去の請求書など、自分が母国に住んでいる証明になるものを添付します。これは、運転免許証を申請した時点で母国に住所を持っているという証明のためです。他に 母国の自家用車の情報が記載されている書類なども持参が必要です。
次に、最寄りのJLAオフィスに行き、今持っている運転免許証を日本語に翻訳をしてほしいという申請を出しましょう。翻訳には、数日かかることがあります。ですので、試験日を予約する前に翻訳を申請して、翻訳した運転免許証を取得しておくようしましょう。もし、提出書類に不備が見つかれば、申請は却下されます。却下されてしまった場合は、改めて申請し直さないといけません。運転免許センターでは、1年に何度か試験を実施しており、場所によっては試験の枠がすぐに埋まってしまうことがあります。数か月待たされることもありますので、必要な書類はすべてそろえておくようにしましょう。
運転免許試験
運転免許試験は、免許取得プロセスの中でも一番の山場です。自身で予約できないという場合は、勤めている企業が代わりに予約してくれます。運転免許センターに行く前に、すべての書類に目を通し、記入を必ず確認するようにしましょう。申請が通ると、視力試験を受けることになります。これは、欧米で実施されている内容と大差ありません。ですので、構えることなく試験にのぞみましょう。その後、日本の運転規則に関する基本的な質問(10問)に答えることになります。内容はとても簡単なものなので、もし落ちたとしても、3回までなら試験を受け直すことができます。これに合格すると、運転免許試験に進むことができます
運転免許試験は、どちらかというと落とすための試験です。なぜなら、試験に対応できるスキルをはかるというより、実践的な運転スキルをはかるという点に比重がおかれているからです。試験は 試験場の中を、決められたルールに基づいて走行することが求められます。そこでは、インストラクターの指導による運転講習も提供しています。外国語を話せるインストラクターもいるので、外国人でも受けることができます。費用は1時間で5000円ほどになります。高く感じるかもしれませんが、試験を一度で通りたいなら必要経費と思って受けるといいかもしれません。試験に落ちてしまった場合は、もう一度予約を取り直して、試験の料金を払いなおすことになります。インストラクターは試験でのタブーも教えてくれたりするので、どんな小さなことであってもすべて従うようにしましょう。
少なくともアメリカなどの国から来た人々にとっては、運転免許証を取得するのはとても大変です。しかし一度取得してしまえば、運転免許証はとても便利です。手続きを行う際には、在留カードの代わりに運転免許証を提出することもできます。むしろ、運転免許証の提出を求められることが多くなるでしょう。初めて試験を受けるのであれば、試験を受ける前に、講習を受けておくことをお勧めします。試験の受験回数が少ないほど、試験にかかる費用や時間を節約することができるからです。