国土交通省によると、東京のマンションの平均専有面積は約64.8平方メートルですが、実際に居住スペースとして使えるのは約40平方メートルにとどまります。世界のほかの都市と比べても決して広いとは言えず、パートナーや家族と暮らしたり、フルリモートで働いていたりすると、その狭さをますます実感するはずです。
では、限られたスペースをより快適に使うにはどうすればよいのでしょうか。その答えのひとつは、自然が無償で与えてくれる太陽の光を活用することです。太陽光は空間を実際以上に広く明るく見せてくれるだけでなく、心と体の健康を保つうえでも大きな効果があります。
しかし、夏が終わり日が短くなってくると、必ずしも十分な自然光が入るとは限りません。そこで今回は、夏から秋へと移り変わるこの季節に、小さな部屋でも自然光を最大限に活用する方法をご紹介します。さらに、南向きの物件を選ぶことで、より多くの自然光を確保することも可能です。ビレッジハウスのような不動産会社なら、オンラインで申し込みフォームを入力するだけで、こうした希望に合った住まい探しをサポートしてくれます。
鏡の使用

小さな部屋で自然光を最大限に活かす、最も簡単で効果的な方法のひとつは、鏡を上手に配置することです。窓の正面に鏡を置けば、日差しを部屋全体に反射させられるだけでなく、まるで窓がもうひとつあるかのような錯覚も生まれます。これによって部屋がより明るくなるだけでなく、実際以上に広く見せることもできます。
窓の正面に鏡を置けない場合は、窓の横に置くのも効果的です。そうすることで、自然光を取り込みながら反射させ、部屋のあちこちに明るさを広げることができます。
鏡は大きいほど自然光を効率よく反射して部屋を明るくしてくれます。ただし、限られた空間を圧迫してしまうほど大きなサイズは避けるようにしましょう。
また、シーリングライトやテーブルランプ、フロアランプなど、部屋にある人工照明の光を鏡で反射させることも可能です。
家具

家具や壁の色選びによって、部屋の明るさや開放感、広さの印象は大きく変わります。日本では、多くの大家や不動産会社が壁の色変更や壁紙の貼り替えを認めていないため、賃貸物件を選ぶ際には壁や天井の色をしっかり確認しておくことが大切です。特に明るい色の壁や天井は、部屋をより明るく見せるだけでなく、窓から入る自然光を効果的に反射してくれます。
家具を選ぶ際には、淡い木目や明るい色の素材を使ったものを取り入れると、自然光を反射しやすくなり、狭い空間にも明るさをプラスできます。カーテンは透け感のある生地を選ぶと、光を通しながらもプライバシーを確保できます。
家具の素材や色だけでなく、狭い部屋では家具の配置にも気を配ることが大切です。窓をふさがないようにレイアウトすれば、室内にできるだけ多くの光を取り込めます。どうしても部屋が狭くて難しい場合や、窓の位置が工夫しにくい場合は、「トランスフォーム家具」と呼ばれる可変式の家具を検討してみましょう。必要に応じて形を変えたり、使わないときはすっきり収納できたりする便利な家具です。
人口照明

部屋が南向きでなかったり、向かいに建物があったりすると、窓から入る自然光が限られてしまうことがあります。その場合は、自然光の色味や温かさに近い人工照明を取り入れて、日照不足を補うとよいでしょう。
色温度が5000~6500Kの電球は昼光に近い性質を持ち、フルスペクトル電球は自然光を再現するように設計されています。自然光が差し込む場所を把握し、その位置に合わせて照明を設置することで、部屋全体により多くの光を取り入れることができます。
掃除

壁や窓、家具などの反射面が自然光を効果的に反射・増幅できるよう、定期的に掃除を心がけましょう。ほこりや汚れがたまると光を遮ってしまうため、窓の内側と外側をこまめに掃除し、鏡を磨いておくことで、より多くの自然光を取り入れ、部屋のあちこちに反射させることができます。
気分

太陽の光を取り入れることで、狭い部屋の限られたスペースを広く感じさせ、部屋をすっきり清潔に保てるのはもちろんですが、なぜ住まいで自然光を最大限に活用することが大切なのでしょうか。その答えはシンプルで、自然光は身体の健康だけでなく、心や感情の状態にも大きな影響を与えるからです。
研究によると、日光を浴びると気分を高める作用を持つエンドルフィンが分泌され、気分やエネルギーが向上することが明らかになっています。このエンドルフィンの働きによって、疲労感やストレス、不安が和らぎ、より前向きで生産的な状態になれるのです。特に在宅勤務をしている人にとっては大きな効果があります。
自然光を浴びることは、体内時計や睡眠リズムを整えるのにも効果的です。そのため、時差ぼけを感じたときには、太陽の光を浴びることが解消につながるとされています。部屋に入る自然光をできるだけ多く取り入れることで、睡眠の質が向上し、翌日の気分や生産性アップにもつながります。
詳しくは、「一人暮らしを穏やかに過ごすための毎日のルーティン」のブログをご覧ください。
関連記事:

フリーライターとしてVillage House Blogで2年以上の執筆およびESL教師の経験を持ち、チェコ共和国、英国、アラブ首長国連邦、日本、さらに直近ではジョージアなどの国での生活経験を有するデジタルノマドです。映画祭、コンサート、劇場に行く楽しみがないときのリモートワークに最適な、魅力あるアパートを常に探しています。