日本の企業には、「人事異動」という制度があり、従業員は、関連会社や別の部門に何度か配置転換されます。それは、出世するための一つの通過点とみなされています。
この異動は、会計年度(4月1日~3月31日まで)が始まる前に行われます。また、この時期は、他の企業へ転職する人たちもいるため、2月~4月は引っ越しの需要が多く、費用も必然的に高くなります。
引っ越しにかかる費用
引っ越しには何かとお金がかかります。転職を考えている人は、とりあえず引っ越し費用も頭に入れて、仕事を探すとよいでしょう。
日本での引っ越しは、時間がかかるだけでなく、初期費用の支払いなど何かとお金がかかります。さらに、入居前に賃料を前払いする必要があるため、初期費用と前払いした賃料を合わせると、4~6か月分の賃料に相当する費用を支払う必要があります。
初期費用
- 保証金 – 家賃の1~3か月分
- 礼金(礼金) – 家賃の1~2か月分
- 初月の家賃
- 不動産仲介手数料 – 家賃の0.5~2か月分
- 保証料 – 家賃の1~3か月分
- 火災保険 – 10,000円~30,000円
- 鍵交換料金 – 7,000円 ~ 20,000円
ただし、不動産会社によっては、初期費用が安くなるよう家主と交渉してくれるところもあります。また、ビレッジハウスのように、敷金、礼金、手数料、更新料が無料もしくは格安の費用で行ってくれる不動産会社もあります。
そして、引っ越し会社に払う費用も必要です。日本の引っ越しサービスを比較するサイトによると、単身者が荷物を運ぶ場合、費用は25,486円から40,000円となっています。もちろん、カップル・家族連れなど世帯数に応じて、費用は高くなります。
また、時期も大きく関係します。引っ越しが集中する繁忙期(2~4月)は、単身者でも平均6~7万かかるようです。距離も考慮されるため、近場への引っ越しなら4万円、遠方への引っ越しなら8~11万ほどかかります。
住まい探しのタイミング
企業は、11月から2月にかけて内定を出す事が多く、2月から3月に住まいを探し始める人が多いため、引っ越しの需要が高くなります。引っ越しがピークを迎える2月から3月は引っ越しを避けるべきです。その方が、住まいの選択肢が増えて、家主との交渉を有利に進めることができますからね。
ですので、仕事を見つけるなら12月までに内定をもらいましょう。仕事が決まって内定承諾書にサインしたら、すぐに住まい探しを開始しましょう。
引っ越し費用の節約(オフシーズンを狙う)
前述したように、日本の主な採用シーズンは11月から2月ですが、募集自体は年中行われています。内定先が引っ越し費用を負担してくれない場合は、引っ越し費用が高くなる繁忙期を避けて、予算内で引っ越すことが肝心です。引っ越しサービスを比較するサイトによると、賃料が最も安いのは10月なので、この時期を狙うのが良いでしょう。
通勤時間を踏まえた引っ越し
内定先の企業が今の住まいと同じ生活圏内にあればいいのですが、前よりも通勤時間が長くなると、引っ越すべきか悩むところですよね。
日本人にとって、通勤も日常生活の一部です。全国的にみて、通勤にかける時間は、1日あたり1時間19分、片道だと約40分が一般的だそうです。しかし、東京のような大都市では、1日あたり2時間、片道1時間が当たり前です。これは、都心部での生活費が法外に高いため、多くの従業員が家賃を節約するために郊外に住んで、そこから通勤しているからです。
もちろん、会社はどんなに遠くても交通費を支払ってくれますが、長時間の通勤は疲れるだけでなく、自分の時間も少なくなります。ですので、今のところから通う方がいいのか、職場の近くに引っ越した方がいいのかは、長期的な目でみてよく考えてみましょう。
引っ越し準備を始めるタイミング
引っ越しには、ストレスも時間もかかります。ですが、前もって準備しておくことで、負担を最小限に減らすことができます。仕事の契約が決まったら、すぐに住まい探しに取りかかり、引っ越し準備を始めましょう。
一般的に、引っ越し日の少なくとも8週間前(2か月前)には、予算を決め、荷物を整理して住まいを探し、現在の家主に退去を伝えることが推奨されています。子供がいる人は、学校、保育園、託児所などを手配しておく必要もあります。
前もっていろいろな準備に余裕をもって取り組めるよう、勤務開始日は少なくとも契約から2か月後以降になるように交渉する事をお勧めします。また、転居に伴うサポートや支援が得られるのであれば、必ず活用しましょう。
フリーライターとしてVillage House Blogで2年以上の執筆およびESL教師の経験を持ち、チェコ共和国、英国、アラブ首長国連邦、日本、さらに直近ではジョージアなどの国での生活経験を有するデジタルノマドです。映画祭、コンサート、劇場に行く楽しみがないときのリモートワークに最適な、魅力あるアパートを常に探しています。