「銀行口座の残高を確認しておらず、家賃が引き落とされていなかった」「支払日をうっかり失念していた」などの理由で、家賃の支払いが遅れてしまったという方もいるのではないでしょうか。
数日程度の遅れであれば大きな問題にはなりませんが、滞納が続くと督促状や契約解除、最悪の場合、退去命令となる可能性もあります。
本記事では、家賃の支払いが遅れた場合の適切な対処法や、家賃の支払いが難しい場合に相談できる公的な支援制度や相談窓口についても紹介します。
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日本の家賃支払いルールを理解する

日本の賃貸住宅では、家賃を「前払い」で支払うのが一般的です。例えば、4月分の家賃は、3月の指定日に4月分の家賃を支払うことになります。
家賃の前払いは、大きく分けて 2つの理由があります。
家賃を確実に回収するため
万が一、借主の支払いが難しくなっても、前払いなら滞納のリスクを減らせます。前払いは貸主にとって、賃料収入を守るための仕組みです。
退去時のトラブルを防ぐため
前払いの場合、退去する月の家賃はすでに支払われているため、退去日までは日割り計算で精算するだけとなり「請求を忘れた」といったトラブルを避けられます。
支払い期日は契約書に、「毎月25日までに翌月分を指定口座へ振込む」「口座自動引き落とし28日」などと明記されることが多く、借主はこの期日を守る義務があります。
なお、家賃の支払い期日を過ぎた場合、契約書に定められた遅延損害金(延滞料)が発生する場合もあります。遅延損害金(延滞料)は、未払い額に対して年14.6%以内の利率で計算されるのが一般的です。
また、滞納が続くと内容証明による督促や契約解除・退去命令に発展することもあります。事情があり支払いが遅れる場合は、トラブルを防ぐためにも早めに管理会社や大家に連絡するようにしましょう。
猶予期間と延滞金:法律で認められる範囲

家賃支払いの期日を過ぎると、貸主(大家・管理会社)は「延滞金(遅延損害金)」を請求できます。一定日数の支払い遅延があっても、法令で明確な猶予期間が定められているわけではありません。ちなみに、数日〜1週間程度が猶予期間として取り扱われるケースが一般的です。
延滞金(遅延損害金)の上限は金銭債務が履行(支払い)されない場合、民法第419条により債務者が遅滞の責任を負った時点の法定利率が適用されています。現行では、法定利率が年3%などと定められていますが、契約書で別途「約定利率」を定めている場合は、その利率が優先されます。
なお、消費者(借主)が契約する賃貸借契約においては、消費者契約法第9条第2号により、遅延損害金の利率が年14.6%を超える部分は無効とされているため、実務上「年14.6%」が一つの目安となっています。
出典:民法第419条|金銭債務の督促・第9条第2号|消費者契約法・法務省|令和5年4月1日以降の法定利率について
最初の督促と大家・管理会社とのやり取り

家賃の支払いが遅れると、まず管理会社や大家さんから「家賃が未入金です」という督促の連絡が入ります。督促の連絡は強制退去を意味するものではなく、単に確認や催促の連絡となるものです。
なお、督促の連絡が来たら、正直に滞納した理由と支払い予定日を具体的に伝えることが大切です。曖昧な返答をすると不信感に繋がり、保証会社や連帯保証人に連絡がいく可能性もあるため注意してください。
また、連絡をせず放置してしまうと滞納が長期化すると判断され、契約解除や退去の対象になる可能性も。一般的に1か月程度の遅れであればすぐに退去にはなりませんが、誠実な対応を早めに取るよう心がけましょう。
督促の連絡は借主を責めるためではなく、状況を確認して今後の対応を相談するための連絡です。まずは電話やメールで連絡を返し、謝罪や支払いの予定などを伝えるようにしてください。
家賃支払いに関する合意内容を文書で残す重要性

大家さんや管理会社と話し合いをした内容は、口頭だけではなく文章で残すようにしましょう。
口頭での約束だけでは、貸主側は「そんな約束をした覚えはない」と借主から言われたり、借主側は「一括で払わなければ契約解除だ!」と貸主から催促をされたりするなど、双方の認識が食い違う恐れがあります。
誤解やトラブルを防ぐためにも、支払う金額・期日・方法などを文書で明確にすることが大切です。書面にしておけば後から確認もしやすく、支払いが遅れた場合でも「きちんと合意していた」という証拠になります。
合意書に記載すべき項目
- 日付
- 滞納金額(対象期間)
- 支払い方法(例:◯月◯日に◯円、以後毎月◯日に◯円ずつなど)
- 合意内容が守られなかった時の取り扱い(遅延損害金・契約解除など)
- 双方の署名捺印
保証会社による対応と代位弁済の流れ

借主が家賃を滞納した場合、「家賃債務保証会社(保証会社)」が貸主(大家・管理会社)に代わって家賃を立て替えます。これらは「代位弁済」と呼ばれ、貸主側に家賃の未払いリスクを軽減させる仕組みです。
滞納が発生すると、貸主もしくは管理会社が保証会社に対して支払いを請求します。保証会社が滞納分の立て替えを行い、貸主への支払いが完了後、借主はその金額を保証会社に返済します。
なお、契約時に定められた保証委託料と「未払い家賃+遅滞損害金+各種実費」をあわせて請求するケースもあるため、借主の負担が大きくなる可能性がある点に注意しましょう。
詳しくは、「賃貸住宅でトラブルに遭ったらどこに相談する?よくあるトラブルや未然に防ぐ方法も解説 」のブログをご覧ください。
契約解除から退去命令までの流れ

①滞納発生から督促まで
家賃を支払期限までに納められていない場合、大家さんや管理会社から電話やメールでの督促が行われます。数回の連絡でも支払いが確認できないと「内容証明郵便」で正式な催告が送られます。
②契約解除の通知
支払いがない状態が続くと、貸主から「契約解除通知」が送付されます。これにより賃貸契約は終了します。通常、督促から解除までは1〜3か月ほどが目安です。
③明渡訴訟(退去命令)
契約が解除されても退去しない場合、貸主は裁判所に「建物明渡訴訟」を申し立てます。裁判では滞納の有無や契約内容が確認され、退去命令が出ます。訴訟から判決まではおおむね2か月前後が一般的です。
④強制執行(立ち退き)
判決確定後も退去がない場合、貸主は強制執行を申し立てます。まず執行官による「明渡しの催告(退去通知)」が行われ、およそ1か月後に断行日(荷物搬出・鍵交換などの実施日)が設定されます。
なお、貸主が裁判をせずに鍵を替えたり、荷物を勝手に処分したりする行為は「自力救済」と呼ばれ法律で禁止されています。もし、そのような行為を受けた場合は、警察や弁護士に相談してください。
家賃の支払いが遅れてしまったときの対処法

家賃は原則として期日までに支払う必要があります。しかし、やむを得ず遅れてしまう場合は、できるだけ早く以下のような方法で対処しましょう。
大家さんまたは管理会社に連絡する
家賃の支払いが遅れが分かった時点で、できるだけ早く大家さんや管理会社へ連絡しましょう。その際、遅れる理由と支払い予定日を具体的に伝えてください。もし、事前に支払いが遅れる可能性が分かっている場合は、その段階で連絡を入れておくと良いでしょう。
たとえ2〜3日程度の遅れでも、法的には滞納に違いありません。家賃の滞納は賃貸借契約の解除事由に該当するため、即時に契約解除されることは少ないものの信頼関係の悪化に繋がる恐れがあります。
早めの連絡と誠実な対応は、トラブル防止に繋がります。連絡をせず、大家さんや管理会社からの催促を待つのだけは避けたほうが良いでしょう。
早急に滞納分を支払う
大家さんや管理会社に連絡したら、可能な限り早めに滞納分を支払うよう努めましょう。支払い方法は物件や契約内容によって異なるため、連絡時に必ず確認してください。
支払い方法は、管理会社や大家さんが指定する銀行口座へ振り込む方法が一般的です。振込時には、銀行名・支店名・口座番号・名義を間違えないよう注意しましょう。なお、振込手数料は通常、借主が負担します。
物件によっては、事務所での直接支払いを求められるケースもあります。その際は、支払いの証拠として領収書や受領証を発行してもらいましょう。直接訪問した際には、謝罪の気持ちを伝えると信頼関係の回復に繋がります。
家賃支払いが難しいときに相談できる窓口

住宅確保給付金
生計維持者の離職や廃業、もしくは給与が大幅に減少するなど、一定の要件を満たしている場合に支給される給付金です。自治体により定められた家賃相当額を原則3か月(最大9か月)の間、貸主の口座へ直接支給してもらえます。
住宅確保給付金の詳しい内容は、各自治体へお問い合わせください。
法テラス
法律・契約トラブルの相談先として、日本司法支援センター(法テラス)があります。家賃滞納や契約解除、立ち退きなど賃貸借に関わる法律問題について、収入・資産の要件を満たしていれば、無料または低額にて相談できます。相談時間は1回30分とし、最大3回まで利用可能です。
また、各自治体の福祉課や生活相談窓口、住まいの相談センターなどに相談するのもおすすめです。家賃の支払いが難しいと感じたら、できるだけ早く相談しましょう。
詳しくは、「「住居確保給付金」制度の申請手続き 」のブログをご覧ください。
まとめ
家賃を滞納した場合の適切な対処法や、滞納が続いた場合の具体的な流れのポイントを以下にまとめました。
- 家賃は基本的に前払いが一般的
- 滞納してしまったら早急に大家さんまたは管理会社に連絡する
- 滞納してしまった理由と支払い予定日を正直に伝える
- 大家さんや管理会社と話し合いをした内容は文章で残す
- 滞納を放置すると、督促→契約解除→退去命令→強制執行へ進む可能性がある
- 保証会社が滞納分を立て替えて貸主に支払い後、借主に請求が届く(代位弁済)
- 延滞が長引くと遅延損害金や信用情報への影響が出る可能性もある
- 家賃の支払いが難しいときは、早めに公的支援制度や相談窓口に相談する
- 「住宅確保給付金」といった支援制度が利用できる場合もある
- 大家さんが自力で鍵交換や荷物処分などの一方的な対応は違法
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※契約内容や審査の結果により、敷金をお預かりする場合があります。
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ライターのどいまちこです。
建築科で勉強した知識を活かし、住宅や暮らしにまつわるライターとして3年以上の執筆経験があります。セルフリノベーションが趣味で、ペンキ塗りや壁紙貼りが得意です。
現在、祖父母から受け継いだ築80年以上の古民家を繕いながら、保護猫2匹と娘のふたりでゆるりと暮らしています。
畑で採れた野菜と父が釣ってきた魚などを簡単に調理し、暑い日にはキンキンに冷えたビール、寒い日はホカホカと温まる熱燗を嗜む時が至福のひとときです。



