新しい国へ行くと、あなたのとった行動が大きな誤解をまねくということがあります。相手の受け取り方が母国と違う時もあり、不快な気持ちにさせることもあるかもしれません。そこで、どのような行動がその国の社会的マナーとしてふさわしいのか、注意深く周りを見渡してみるのがいいかと思います。多少、時間はかかるかもしれませんが、その国の文化について学ぼうとしていることが相手に伝われば、好意を持ってもらえると思います。決して、その国の文化について精通している必要はありません。まずは知ろうとするその姿勢が大事なのです。
1. 土足禁止
日本では、帰宅して家に入る場合は、靴を脱がなければならないという文化があります。玄関から家の中に入る時に、必ず靴を脱ぐ必要があります。脱いだ後の靴は、靴箱やシューズツリーに収納されることがほとんどです。こうすることで、部屋を清潔に保ち、床の摩耗を防ぐのです。上履きと呼ばれる室内専用の靴もありますが、こちらは主に学校で使用されています。生徒たちは、必ず履くように教育されています。従わないと、そうするように指導されます。
2. お皿から直接、食べ物をとらない
何人かで外食してシェアして食べる時は、運ばれてきたあと、各自がそのメインディッシュから自分の分を取り分けます。食べる分だけ 箸で自分の皿に取り分けるのです。決して、そのメインディッシュを直接そのまま自分の口に運ばないようにしてください。それは、マナー違反となり、その場にいる人たちから顰蹙をかい、印象が悪くなってしまいます。こういう場合、まずはテーブルに同席する他の人たちの行動をまねておけば、問題ないでしょう。
3. おじぎする
日本では、初めて会う人に対してや、初めて紹介された場合には、おじぎをするという慣習があります。日本人にとって、お辞儀は文化的慣習であり、相手への敬意を示すという意味合いがあります。お辞儀にかかる時間が長いほど、相手への敬意が大きいことになります。これは、長い時間頭を下げるという事ではなく 深くお辞儀をするため時間がかかるという意味です。もし、握手を求められた場合は、お辞儀をせず、握手にこたえるだけにとどめましょう。お辞儀と握手を同時にする行為は恰好悪く、相手の印象も良くないものとなってしまうからです。
4. トイレのスリッパ
典型的な日本の家では、トイレと浴室は個室で分離されています。なぜなら、それらは清潔な状態を保つのが難しい場所であり、特にトイレは汚なく感じてしまいがちだからです。ほとんどの場合、トイレにはスリッパが備え付けられています。履いて用を足した後は、トイレから出る前に必ず脱ぐようにしましょう。もし、履いたままトイレから出てしまうと、とても嫌がられます。
5. ごみを分別する
日本では、ごみを正しく分別し、片づけることが求められます。正しい分別方法とごみ出し方法は 必ず把握しておきましょう。まず分別ですが、日本では燃やすごみ、燃やさないごみ、プラスチックごみに分別します。次に、ごみの収集場所を間違えないようにしましょう。マンションに併設されている場合もあれば、道路に緑のネットが設置されていて、そこで収集されている場合もあります。正しい曜日に、きちんと出すようにしてください。分別、ゴミ出しが正しく行われていない場合は、近所に住む住民や、きちんとしている人たちから、反感をかうことになります。
6. 食べ歩きをしない
規制されているわけではありませんが、日本では、食べ歩き=マナーが悪い行動として認識されています。年配の人たちは、食べ歩きしているあなたを見て、じろじろと見てくるか、何か一言注意してくるかもしれません。一方、若い世代の人たちは、特に食べ歩きに抵抗はなさそうです。なので 街中では、若者たちが街中で食べ歩きをしている姿をあちこちで見かけると思います。ですが、できれば歩かずに、コンビニの前などでいったん立ち止まって食べるようにしましょう。
7. 指さし
日本では人を指でさすと、眉をひそめられることがほとんどです。指でさしたからといって、じろじろ見られたり注意されることはありませんが、初めて会ったにもかかわらず、当人たちを指さししてしまうと、不快な気持ちにさせる恐れがあります。外で、人を指さししている日本人を見かけるかもしれませんが、それらはおそらく、親しい友人同士か知り合い同士なのでしょう。自分の行動を振り返って、失礼なことをしていないか気を付けるようにしてください。
8. お風呂に入る
ほとんどの西欧諸国では、お風呂に入る=体を清潔にするという認識なのではないでしょうか。しかし日本では、お風呂に入る=リラックスする・ストレスを解消するという意味があります。日本では、バスタブに入る前に、必ずシャワーを浴びて下さい。これは、日本で必ず守るべきルールです。こうしないと、注意されることになるでしょう。
9. 名刺を大事に扱う
日本のビジネスでは、名刺は その人の分身同様だと考えられています。だから、もし頂いた名刺をすぐに捨ててしまったら、それはその人に無礼なふるまいをした事になります。もらった名刺は、大事に扱うようにしましょう。また、相手にもできるだけ丁寧にふるまいましょう。お互いに名刺を交換する場合は、必ず両手で名刺を渡し 両手で受け取るようにして下さい。そして、お辞儀をするなら、そのあとにするようにします。このマナーは、日本の文化で非常に重要です。これを知っている事が、日本のビジネス文化を理解している事の表れになります。特に名刺は、相手が見ていないときに、片づけるようにしましょう。受け取った直後は ジャケットの内ポケットにいれるか、すぐに取り出せる場所に収納しておくようにしましょう。相手が見ている前で、財布に直さないようにしてください。
10. 車内で静かにする
日本では、電車やバスの車内で大声で会話することは、マナー違反になります。日本ではほとんどの人が、移動手段として公共の交通機関を利用していますが、誰しもが車内ではイライラさせられることなく、気分よく目的地に着きたいと思っています。ですので、もし車内で大声で会話していれば、他の乗客から冷たい目を向けられる事は間違いないでしょう。苦情を言う人もいるかもしれません。できるだけ声のボリュームは落とすようにしてください。
携帯電話は、できるだけ車内では使わないようにしましょう。でもイアフォンを使うのであれば、車内であってもゲーム、ネットサーフ、映画は見れます。ただし、通話はできるだけ控えるようにしてください。どの電車にも、乗車中の通話は控えて下さいという注意書きが掲示されています。どうしても電話に出なければならないという場合は、電車の接続部分に移動するか、もしくは 通話をできるだけ早く終わらせるようにしましょう。
これらすべての文化ルールに従うことができなかったとしても、全く問題ありません。その国の人々にとって、あなたが外国人であるということ、そして日本のマナーについて知らないということは織り込み済みだからです。ただ、日本に行く前には、できるだけ日本について調べておきましょう。そうすれば、知っているというだけで日本人は快く思ってくれます。自分にとって未開の領域には 敏感であるように心がけましょう。