「サステナブル」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、サステナブルな家具とはどのような家具を指しているのか、具体的には知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、サステナブルな家具のメリットやデメリット、選び方について紹介します。サステナブルな家具の魅力を知り、暮らしに取り入れていただけると幸いです。
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サステナブルな家具とは
「サステナブルな」とは、日本語で「継続可能な」という意味を指します。その取り組みとして、中心的なテーマになっているのが「サステナビリティ:継続可能性」という考え方です。
分かりやすく言い換えると「これからの未来において、私たちの暮らしを継続できるよう、地球環境を守り続ける」ことを目指した取り組みとなります。
なお、サステナブルな家具とは以下のようなものを指します。
- 海洋プラスチックを再利用
- 産業廃棄物を利用
- リサイクルアルミを利用
- 自然分解できるバイオプラスチックを利用
- 自然エネルギーを活用して工場稼働
- 森林保全
私たちの暮らす地球環境を守るために、素材選びにこだわり自然エネルギーを活用するなど、豊かな森や海を未来へ残す取り組みが進められています。また、将来を担う技術者の育成も、家具におけるサステナブルな取り組みといえるでしょう。
さらに、作り手だけでなく、使い手である購入者の意識も欠かせません。家具を購入する際は、できるだけ長く使えるものを選び、使い捨てをしないようにする。そして、修理や交換が可能な製品を選び、世代を超えて受け継ぐなど、大切に使い続けることが求められているのです。
サステナブルな家具のメリット
環境に優しい
サステナブルな家具は、地球環境への配慮を重視して製造されています。家具の製造では、森林伐採や空気・水質汚染といった問題が発生し、将来の環境に大きな影響を及ぼしています。つまり、環境に優しいサステナブルな家具を選ぶことで、木材などの貴重な資源のムダ遣いの減少や温暖化ガスの削減の実施などにより、環境汚染の進行を遅らせることが可能となるのです。
デザインと品質が優れている
サステナブルな家具を選ぶメリットの一つはデザインと品質が優れている点です。近年では多くの有名家具デザイナーがサステナブルな家具に注力しており、個性豊かで革新的なデザインが数多く誕生しています。機能性とデザイン性、そして高い品質を兼ね備えている点も、サステナブルな家具の大きな魅力だといえるでしょう。
耐久性が高い
サステナブルな家具は天然素材を使用しているため耐久性が高く、経年変化も楽しめるのも特徴的です。シンプルで長く使えるデザインが多いため、時代や流行に左右されず、長期間使い続けられます。
サステナブルな家具のデメリット
サステナブルな家具のデメリットの一つに「コストの問題」があります。サステナブル家具は、高品質な無垢材や特殊な加工を施しているため、生産コストが高くなり、販売価格も一般的な家具に比べてやや高めになる傾向があります。
ただし、サステナブル家具の初期費用(イニシャルコスト)だけでなく、中長期的な使用にかかるランニングコストを考慮すると、必ずしもデメリットとは言い切れません。一方で、大量生産の安価な家具は、すぐに壊れてしまったり修理しても使えなかったりするなど、結果的に費用がかかってしまうケースがあるため留意しましょう。
サステナブルな家具の選び方
サステナブルな家具を選ぶ際、以下の2点に注目して選びましょう。
- リサイクル素材を使用しているか
サステナブルな観点で家具を選ぶ際、注目すべきキーワードのひとつが「リサイクル素材」です。
役目を終えた家具やその他の製品から素材をリサイクルし、時代やニーズに合ったデザインや機能を持つ、新しい製品として生まれ変わったものを選んでください。また、家具の選択においては、製造過程での資源の流れにも目を向けることも重要なポイントです。
資源の流れは、資源を採取し製品を製造、使用後は廃棄するという一方向の消費の流れ「リニアエコノミー」。そして、使用後の製品を資源として再利用し、資源を循環させる流れ「サーキュラーエコノミー」の2種類に分かれます。
サーキュラーエコノミーが広く定着すると、地球から新たに資源を過剰に採取する必要はなくなります。サステナブルな家具は、サーキュラーエコノミーの枠組みを基盤に、生産・再利用されており、持続可能な未来を支える選択肢のひとつとなっているのです。
- 国産・国内で製造されているか
国産材や国内製造の家具を選ぶことで、輸入材を長距離輸送する際に発生する二酸化炭素の排出を抑えられます。また、国内の森林資源を有効活用できるなど、サステナビリティへの貢献に繋がります。
木材や家具を輸入・輸出するための長距離輸送は、コストだけでなく多くのエネルギーを消費し、大量の二酸化炭素を排出するため環境への負担が大きくなりがちです。
一方で、木材の加工自体は比較的少ないエネルギーで行えるため、輸送距離が短い国産材や国内製造を選ぶことにより二酸化炭素排出の削減が可能になります。
さらに、日本の国土の約67%は森林で、そのうち約40%が資源として利用可能な人工林です。この貴重な森林資源を活用し、国内生産の循環型サイクルを確立することで、さらなる二酸化炭素の削減が期待できます。
国産木材を使用することは、国内で製造された家具は環境負荷が少なく、自然環境や資源の保全に貢献する持続可能な選択肢となるでしょう。
サステナブルな家具の利用シーン
リラックススペース
リラックスする空間で使用するソファや一人掛けチェアは、座面や背面のクッション、カバー、脚部などで構成されています。しかし、高価なソファであっても使用しているうちに、クッションのへたりや生地の破れは避けられません。
長く使うためには、丈夫な中材や擦れに強い生地を選ぶことが重要なポイントです。また、生地の張り替えや木部の交換、クッション材の追加など、メンテナンスに対応できる製品を選ぶと長期間使い続けられます。
食事をするスペース
国産材を使用したダイニングテーブルや椅子は、サステナブルな家具としておすすめです。しかし、日本では国土の70%が森林でありますが、外国産の輸入材が圧倒的に多いため、国産材が有効に活用されていません。
そこでテーブルを選ぶ際、木材を適切に管理し伐採から製品化、廃棄までの工程を循環させている家具ブランドを選ぶことで自然環境を守る一端を担えます。さらに、一般的なウレタン塗装は深い傷がつくと修復できませんが、天然木無垢材のテーブル天板をオイル塗装すれば、メンテナンスを通じて長く使い続けられるメリットも感じられるでしょう。
オフィススペース
現在、オフィス家具は多様化しています。テレワークや業務のオンライン化により、仕事の形態も大きく変わりました。そのため、部署ごとの業務内容や、世間の動向に合わせてフレキシブルに配置を変えられる家具の需要が高まっています。
天板や扉を自由に組み合わせられる収納や、高さ調節可能なデスクなど、用途に応じて柔軟に活用できる家具が求められているのです。また、働き手のモチベーションを高める空間設計は、人材育成の観点からもサステナブルといえるでしょう。
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ライターのどいまちこです。
建築科で勉強した知識を活かし、住宅や暮らしにまつわるライターとして3年以上の執筆経験があります。セルフリノベーションが趣味で、ペンキ塗りや壁紙貼りが得意です。
現在、祖父母から受け継いだ築80年以上の古民家を繕いながら、保護猫2匹と娘のふたりでゆるりと暮らしています。
畑で採れた野菜と父が釣ってきた魚などを簡単に調理し、暑い日にはキンキンに冷えたビール、寒い日はホカホカと温まる熱燗を嗜む時が至福のひとときです。