日本で生活をするということは、他の国で生活することと特にそう変わりません。日本人も生活のために、日々一生懸命勤しんでいます。ただ、近所との付き合いをしていくうえで、日本には暗黙の了解というものがあります。その中には、当たり前のルールも含まれていますが、日本独特な生活環境が関係しているルールもあります。
新しい国での生活を始める場合は、母国の慣習をそのまま持ち込まないようにしましょう。できるだけ、新しい国の慣習について勉強するようにしてください。そうすると、新しい国での新生活が楽しいものになります。
日本人の場合、あなたが外国人だと知ると、悪気はないのですが少し警戒してしまう傾向にあります。最近では、外国人の人口が増えてきました。しかし、まだまだ外国人の存在が身近であるというわけではありません。
また、外国人と話したいけれども、自分の会話スキルに自信がないことや、会話スキルに自信はあるけれども、文法など間違いがあったら恥ずかしいという理由で、日本人は外国人とのコミュニケーションをためらってしまう傾向にあります。
そのため、自然と日本人は、外国人とのコミュニケーションを最小限に抑える傾向にあります。決してあなたのことが嫌いというわけではなく、外国人との交流に慣れていない、もじもじしてしまうというのが本当の理由です。そこで、あなたのほうからフレンドリーに接してみる、自分の知っている日本語で話しかけてみる、困っている日本人を見かけたら助ける、少額のものをおごってみるなど、自分のほうから日本人にアプローチしてみましょう。
日本の主要都市に住んでいる人は、あなたが想像しているとおりの都会生活をおくっています。狭いエリアにせせこましくたくさんの人々が生活しています。 アパートを建てる時に、狭いスペースや区画は、少し考える必要があるかもしれませんね。
また、日本のアパートの壁は薄く、隣の部屋の会話が一日中漏れ聞こえてくるという場合があります。ですので、部屋が狭い場合は、声のボリュームを落として会話するようにしましょう。朝早くや夜遅くには生活音を出さないことです。生活音の音量を抑えて生活すれば、隣人とのトラブルに発展することはそうありません。テレビ、音楽の音量について気を付けていれば、隣人との関係は良好に保てるでしょう。
騒音があまりにも大きい場合は、まずは家主に苦情が寄せられます。その後家主が、苦情の内容について記載された手紙や通知書をあなたに渡します。他に、苦情の内容を掲示板に掲示し、住民全員に通知するという手段がとられる場合もあります。
あなたが、隣人と直接やりとりできるようになるとしたら、それは個人的に親しくなった場合ではないでしょうか。ほとんどの日本人は、基本的な表現以外は話せないことが多く、外国人に話しかけるのに気疲れしてしまう、警戒してしまうことが多いようです。テレビ、音楽を視聴する際にはヘッドフォンを着用したり、電話する場合は外に出たりして、音量、声のボリュームを抑えるようにしましょう。
特に、深夜、早朝は、音量のボリュームに気を付けるようにしましょう。あまりにも騒音がひどい場合は、隣の部屋の住人が直接ドアをノックして、警告してくるかもしれません。その後、家主からも警告が入るでしょう。もし、クレームが入ってしまった場合は、誠意をこめて謝罪し、できるだけ騒音を出さないようにしてください。
その場では、特にそれ以上のことはする必要がありませんが、後々、隣人と何かしら接点を持つようになった場合は、あなたがとった行動が、プラスに働く可能性があります。
また、隣人とのトラブルが大きくなってしまった場合、または他の住人からの騒音に悩まされている場合は、家主に相談することをお勧めします。
もちろん、外国人であるという理由で大目には見てもらえますが、外国人だからといって、いつまでも大目に見てもらえるわけではありません。しばらくは、ささいな間違いや質問にも快く応じてくれますが、そのうちに呆れられてしまうかもしれません。
たとえば、自治体のルールに沿った対応ができていない場合は、直接的、間接的に住民から苦情が寄せられます。面と向かって苦情を言われることもあれば、間接的に適切な対応をとるよう促されることもあるでしょう。例えば、ごみの分別が間違っていた場合は、誰かがやり直している場合があります。
しかし そもそもあなたが分別を正しく行おうという気がない事に気づいた場合には、あなたの部屋の前に、出したごみがそのまま置かれることになります。これは、日本人が適切な対応を相手に促すために、よく取られる方法です。
そもそも日本人は、苦情や言いにくいことを本人に直接伝えるということが苦手です。会話、行動から、相手に読み取ってもらうスタイルを好みます。外国人とのやりとりに慣れている日本人でさえ、こういった日本固有の文化が染みついているのか、面と向かって相手に主張することはそう多くありません。
相手にはっきりと、自分の思っていることを伝えたいと考えている日本人は多いものの、日本ではまだまだ、相手に向かって自分の意見をはっきり主張するというスタンスは受け入れられていません。日本で生活する時には、日本人のこのような特性を受け入れるようにしましょう。このような特性をあらかじめ知っておくと、日本人という存在を身近に感じることができるようになり、トラブルが発生しても当惑することは少なくなるでしょう。
確かに、日本人は パッシブ・アグレッシブのきらいがあります。しかし、基本的に日本人は親切で、すばらしい人々です。日本人のホンネとタテマエは、会話、行動から、自分の伝えたい内容を相手に汲み取ってもらうというスタンスから来ています。そこまで親しくない人には「仮面」をかぶり、本当に親しい人には、心の内をさらけ出すという意味です。日本人と接する場合は、本音よりも建て前で話されることが多いと思いますが、そもそも日本人とホンネで話し合えるようになるには、かなりの時間が必要だといわれています。
本音と建て前をはじめ、日本人の文化の根底にあるものを理解するようにしましょう。そうすれば、日本人と接することが苦痛ではなくなるでしょう。友達を見つけたり、親しくなることもできます。焦らずに、日本人との関係を築いていきましょう。また、あなたのとった行動、あなたに対する印象が、そのまま日本人の考える外国人像になる場合があります。初めて出会う人にもできるだけ親切に、感じよく接することを心がけるようにしましょう。