「賃貸物件の申し込みをしたけど、新たに気に入った物件が見つかったのでキャンセルしたい」「やむを得ない事情がありキャンセルしなくてはならない」など、賃貸の申し込みをキャンセルしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、賃貸物件の申し込みをした後のキャンセルが可能か、そしてキャンセルにあたって知っておきたいことについて紹介します。賃貸の申し込み後にキャンセルしたい方の参考にしてください。
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賃貸申し込み後のキャンセルはいつまでなら可能？
賃貸物件は申し込み後、審査が通過した後でも賃貸借契約書を交わしていなければキャンセルが可能です。また審査通過後に契約に進んだ場合、賃貸借契約書の読み合わせで納得できない内容があれば断ることもできます。
一般的な不動産会社では、賃貸借契約書に署名や捺印をした時点で契約が成立します。そのため契約締結後はキャンセルできなくなります。また、貸主と借主の契約合意が取れている場合、賃貸借契約書に署名捺印をしていなくても、口約束だけで契約が成立したとされる諾成契約（だいせいけいやく）となることも。
さらに審査通過後、申込者から「入居の手続きをしてください」と意思表示をした時点で契約成立となるケースもあります。どのタイミングで契約成立するのかは不動産会社によって異なるため、申し込み時に契約成立についての内容を申し込み時に確認しておくと良いでしょう。
キャンセルしたら違約金は発生する？
申し込みや入居審査が終了して契約が成立する前にキャンセルが必要となった場合、基本的に違約金は発生しません。申し込みや入居審査は契約が確定する前の段階なので、通常はキャンセルが可能であり違約金などの費用は必要ありません。
ただし契約書に署名する前であっても、貸主と借主の合意だけで契約が成立とみなされる諾成契約となった場合、申し込みをキャンセルすると違約金が発生するケースもあります。なお、賃貸借契約が成立後はキャンセルではなく解約扱いとなります。契約内容によっては違約金が必要となる場合があるため、詳細については不動産会社へ確認してください。
解約となると、初期費用のなかで返金されるものとされないものがあります。特に返金が難しいものは仲介手数料と礼金です。仲介手数料は物件案内や契約手続きなどに対する不動産会社への手数料であり、礼金は物件を貸し出してくれる大家さんへのお礼として支払われる費用です。
この仲介手数料と礼金は入居の有無にかかわらず、契約が成立した瞬間に発生するものであるため、返金される可能性は低いといえます。
預けている申込金（預り金）はどうなる？
物件を申込む際、意思表示として1万円～家賃の1カ月分を預けている申込金（預り金）は、契約が完了するまで不動産会社が預かっているだけなので、通常キャンセルすると全額返金されます。
しかし不動産会社は、審査や重要事項説明の準備などに時間や労力を費やしているため、「預けている申込金は返金できない」と主張するケースも見受けられます。
しかし申込金を返金しないということは宅地建物取引業法施工規則において禁止されているため、「キャンセルするので契約しません」とはっきりと伝えれば返金してもらえるでしょう。
それでも申込金が返金されない場合は、以下の各窓口へご相談ください。相談するときは、不動産会社の名前やトラブルの内容などをまとめておくとスムーズに伝わるのでおすすめです。
- 国民生活センター
国民生活センターには、専門の相談員が消費者の生活全般に関する苦情や相談を受け付け、公正な立場で対応してくれる窓口があります。各都道府県に設置している相談窓口か、消費者ホットライン188に電話にて無料相談が可能です。
- 全国宅地建物取引業協会連合会
全国宅地建物取引業協会連合会では、専門の相談員が全宅保証会員を相手に苦情の解決を目的とする相談窓口があります。全国各地に宅建協会があるため、最寄りの協会の相談窓口や電話にて無料相談が可能です。
- 全日本不動産協会
全日本不動産協会では経験のある相談員が安心で安全な不動産取引を目指し、電話相談に応じています。ただし電話相談には時間制限があるため、事前に要点をまとめてから相談すると良いでしょう。なお相談については一案件につき一回が原則となっています。
参考：全日不動産相談センター
よくあるキャンセル理由
賃貸の申し込み後のキャンセル理由と対処方法について紹介します。
・他に良い物件があった
気に入った物件があり申し込みをしたけれど、部屋の広さ・家賃の安さ・駅から近いなどの条件がもっと良い物件を見つけた場合、気持ちが傾きキャンセルする場合があります。キャンセルする場合は申し込みしている物件のキャンセル連絡してから、他の物件に申し込みできるかどうか不動産業者の担当者に確認すると良いでしょう。
・勤務先が変更になった
配属先の異動で通勤時間がかかるなど、やむを得ない理由でキャンセルする場合もあります。周囲の環境によるキャンセルは自分ではどうすることもできません。仕事上の都合で部屋をキャンセルする必要があると正直に伝えましょう。
・家族から反対された
初めての一人暮らしや女性の場合、本人が物件を気に入っていてもセキュリティ設備や治安が悪いなどの理由によりキャンセルを申込むケースも少なくありません。家族から反対される可能性がある方は、家族と一緒に物件を探したり内見にいったりするなど、家族の理解を得られてから申し込みをすると良いでしょう。
・初期費用が思っていた以上に高くなった
思っていた以上に初期費用が必要となりキャンセルされる方もいます。お金の面で不安がある方は、申し込む前に不動産会社の担当者へ予算を伝えておくと安心です。また、初期費用にあまりお金をかけたくない方は、敷金や礼金がいらない物件を探してもらうのも良いでしょう。
申し込みをキャンセルするなら早めに連絡しましょう
大家さんや不動産会社は、迅速に引越しできるようにハウスクリーニングや審査の準備を進めている可能性があります。そのため賃貸の申し込みをキャンセルする場合は、できるだけ早く不動産会社に連絡することが重要です。
なお、賃貸契約が成立しているとクーリング・オフは適用されません。不動産関連では売買物件で一定の基準を満たす契約の場合はクーリング・オフ制度が適用となります。しかし、賃貸借契約が締結した後のキャンセルは契約解除となり費用が発生するケースもあるため注意をしてください。
賃貸物件の申し込み後キャンセルはできます。しかし、契約締結したタイミングは不動産会社によって異なるため、キャンセルしたい場合は早めに不動産会社の担当者に相談してみましょう。
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