日本ではアパートの賃貸契約の際、「敷金」を預けるのが一般的です。借り主が通常の使用による損耗以上の損害を与えた場合に、それで補填するためです。日本の国土交通省によると、損耗とは「現状回復が可能なもの」と定義されていますが、具体的に何が「損耗以上」に該当するかは、オーナーや家主の主観に左右されるところでもあります。ただし、ビレッジハウスなど、一部の不動産会社が保有している特定の賃貸物件では、そうではない事もあります。
日本では退去する際に、家主や不動産会社による最終点検が実施されます。それで、「敷金」がどのぐらい返金されるかが決まります。損害賠償で敷金が減額されることがないように、傷やへこみ、汚れなどは出来るだけ「ダメージプルーフ」しておくとよいでしょう。
床へのダメージを防ぐ
カーペット・フローリング・畳などの床材によっては、重い家具を置いて引きずったり、飲食物をこぼしたりして、傷めてしまう事があります。そのようなダメージを防ぎ、被害を最小限にとどめるためにも
- 「パズルフロアマット」を床全体に敷く。もしくは、椅子を出し入れする時にできる傷やへこみを減らすために、椅子に「脚カバー」を付ける
- 地震などで家具が倒れないように、家具の下に「滑り止めシート」や「滑り止めパッド」を敷く
- 傷やへこみ、汚れを防ぐために、フローリングにカーペットやラグを敷く
などの対策を施すといいかもしれません。
なお、これらのアイテムの多くは、100円ショップで安く購入することが出来ます。アパートへのダメージを防ぐために、大金を掛ける必要はありません。
ふさわしい掃除用品を活用する
日本では、便利で使い勝手のいい掃除用品が豊富にそろっています。ラッキーな事に、これらはほとんど100円ショップで手に入るんですよ。
日本での生活に欠かせない掃除用品といえば、カビキラー(カビを殺すスプレー)です。特に夏は湿度が高くなるため、カビが生えやすくなります。これも、ダイソー、CanDo、セリアなどに行けば、100円(税別)で手に入ります。
もし、床やカウンター、シンク、コンロ、キッチン周りなども掃除したいなら、用途別のウェットワイプも売っています。
ただ、キッチンだけは、どんなにこまめに掃除しても汚れは付いてしまいますよね。そんな時はぜひ「セスキクリーナー」を試してみてはどうでしょうか。とても綺麗になりますよ。これも100円ショップやスーパーマーケットなどで売られています。
また、頑固な汚れや油汚れには、「メラニンスポンジ」がお勧めです。研磨剤が入っているので、擦り傷、油汚れ、石灰スケール、石鹸カス、焦げ跡などが綺麗に取れますよ。
除湿する
とある研究によると、室内における湿度は30%~50%が理想で最適とされていますが、日本では、梅雨の時期から夏にかけて湿度が高くなり、室内ではカビが繁殖しやすくなります。
そのため、日本では数多くの除湿製品が生まれ、家庭の定番アイテムになっています。まずは、エアコンに内蔵されている除湿機能を利用してみましょう。もっと湿度を下げたければ、100円ショップの除湿パックを購入して、各部屋に置くといいと思いますよ。
湿度とカビを最小限に抑えるもう一つの方法は、換気扇の利用です。特に、浴室は使用後に換気扇を回せば、すぐに湿気が取れますよ。そして、洗濯物は必ずバルコニーやベランダに干しましょう。室内に湿気を持ち込まないことが肝心ですからね。
しみを手早く落とす
シミを防ぐ最も簡単な方法は、こぼしたらすぐに拭き取る事です。運悪く、カーペットにこぼしてしまった場合は、重曹やシミ抜き剤を使えば、被害を最小限に留める事ができます。
転倒を防ぐ
日本は地震が多い国です。地震が起きると、室内ではいろんな物が倒れてしまいますが、建物自体は住宅用、商業用を問わず、ある程度の揺れには耐えられるようにしっかり設計されています。ですが、もし耐震構造について心配なら、家主やオーナー、ビレッジハウスなどの不動産会社などに尋ねてみて下さいね。
また、地震の際に、重い家具や家電製品が倒れて、壁や床にへこみや傷が付く事の無いように、
- 重い家具を壁や床に固定する「耐震ボール」や「転倒防止棒」
- 家具の前面や底面に設置して、地震による転倒を防止する「家具転倒防止版」
- 家電製品などをテーブル、棚、壁、床などに固定する「転倒防止ベルト」
などのアイテムを購入し、設置してみてもいいかもしれませんね。
ここで紹介したアイテムをぜひ活用してみて下さいね。家具の組み立てや設置・模様替え・料理や食事の際には、傷を付けたり汚さないように気をつけて、定期的に掃除をしていれば、敷金から差し引かれるような事は、それほどないかと思いますよ。