引っ越しの際に最優先で対応すべきことの一つが住まい探しです。会社や組織が手配してくれる場合は別ですが、それがない場合は自分で手配しなければなりません。
物件を探すとき、一般的には「家具家電付き」か「家具家電なし」のどちらかを選ぶことになります。「家具家電付き」「家具家電なし」の定義は不動産会社や家主によって異なりますが、家具家電付き物件には通常、以下のようなものが含まれています。
- テーブル、椅子、ソファ、ベッドフレーム、マットレス、クローゼット、キッチンカウンター、収納棚、引き出しなどの基本的な家具
- 冷蔵庫、洗濯機、コンロ、場合によっては電子レンジなどの白物家電
家具家電付き物件には、テレビのほか、電気ポットやコーヒーメーカーなどのキッチン家電、調理器具やカトラリー、アイロン・アイロン台、掃除機などが含まれている場合もあります。
家具家電なし物件の場合、基本的にはほとんど何もない状態ですが、以下の設備が含まれていることもあります。
- 照明器具
- カーテンとカーテンレール
- エアコン
- 給湯器
- 一般的なキッチン(コンロ、調理台、収納棚など)
借りる前に知っておきたいこと

日本では、特に長期滞在者向けの賃貸物件の場合、家具家電が付いていないのが一般的です。家具家電なし物件とは、照明器具やカーテン・カーテンレール、エアコン、さらには基本的なキッチン設備すら備わっていないこともあります。つまり、こうした物件を借りる場合、生活に必要な家具や家電に加え、最低限の設備をそろえるのにも、相当な時間と手間がかかることになります。
とはいえ、日本でも、特に東京や大阪といった大都市では家具家電付きの物件も見つかります。こうした物件の多くは、地元以外から来た人、または短期滞在・マンスリープランを希望する人を対象としており、その分、家具家電なし物件に比べて家賃は割高になるのが一般的です。
費用

物件を探す際には、予算をしっかり考慮することが大切です。家具家電付き物件にするか家具家電なしにするかは、予算に大きく関わるため、非常に重要な判断ポイントのひとつになります。
家具家電付き物件であれば、家具や家電を買い揃える必要がないため、初期費用を抑えられます。さらに、退去時も大きくて重い家具や家電を梱包・搬送する手間がないため、引っ越し費用を安く抑えられるのもメリットです。
一方、家具家電なし物件を選ぶ場合は、自分で家具や家電を一から揃える必要があるため、初期費用が高くなります。必要なものを購入するだけでなく、配送・組み立て・設置にかかる費用も発生します。さらに、いざ引っ越すとなった場合には、それらの家具や家電を分解・取り外し・梱包・運搬する必要があるため、引っ越し業者の手を借りることになり、結果的に引っ越し費用も高くなる可能性があります。また、購入したものを持っていかないと決めた場合は、粗大ごみとして処分する必要があり、品目によっては処分費用が高額になることもあります。
とはいえ、家具家電なし物件には、家具家電付き物件に比べて家賃が安いというメリットがあります。日本では、家具家電なし物件の家賃は家具家電付きよりも20〜30%ほど安くなると言われています。また、備え付けの家具や家電がない分、それらの損耗や清掃にかかる追加費用を請求される心配もありません。
家具や家電を中古品店やリサイクルショップで揃えることで、家具家電なし物件への引っ越しにかかる初期費用を抑えることができます。また、Facebookの「さよならセール」や「Craigslist Japan」などでは、掘り出し物や無料でもらえる品が見つかることもあります。日本では大型の家具や家電の処分が面倒なこともあり、こうした場で手放す人が多いため、思わぬチャンスに出会えるかもしれません。
中古品の購入について詳しく知りたい方は、こちらの「初心者向け中古品ショッピングガイド」の記事をご覧ください。
家具家電付き物件のメリットとデメリット

メリット
家具家電付き物件を借りる最大の魅力は、何といっても利便性の高さと、すぐに入居できる点です。家具や家電が一通り揃っているため、必要なのは自分の荷物だけ。短期滞在や一時的な住まいを探している人にとっては、特に大きなメリットと言えるでしょう。
また、家具や家電が最初から備わっていることで、購入や搬入、組み立て・設置といった手間や時間がかからず、結果として引っ越しの費用も抑えられ、時間の節約にもなります。
入居が簡単でスピーディーなだけでなく、退去の際も、家具や大型家電の分解・取り外し・梱包・運搬などの手間が省けるため、スムーズに引っ越すことができます。
最後に、家主や不動産会社には、既存の家具や家電を次の入居者が問題なく使えるように、適切に維持・管理する責任があります。
デメリット
家具家電付き物件は家賃が高いだけでなく、入居者が空間を自由にカスタマイズしたり、自分好みに整えたりするのが難しいというデメリットもあります。備え付けの家具や家電があるため、基本的にはそのまま使う必要があり、家主や不動産会社と合意がない限り、それらを撤去することはできません。
また、家具家電付き物件の場合、備え付けの家具や家電は前の入居者が使用しているため、必ずしも最良の状態とは限りません。ただし、それらが問題なく使える状態であることを保証するのは家主や不動産会社の責任であり、もし不具合がある場合は、交換を交渉することも可能です。
家具家電付き物件に入居する際のもう一つの大きな注意点は、備え付けの家具や家電に生じた損耗や破損について、借主が責任を負う可能性があるということです。その結果、修理費やクリーニング代が発生し、予算を圧迫することもあります。
家具家電なし物件のメリットとデメリット

メリット
家具家電なし物件は、一般的に家賃が安く、入居者が空間を自分好みにカスタマイズしやすいという自由度の高さが魅力です。家具や家電を自分で選んで購入できるのは、ライフスタイルやニーズに合わせた住まいづくりをしたい人にとって、大きなメリットとなります。特に、長期滞在や永住を考えている方にとっては、より適した選択肢と言えるでしょう。
家具家電なし物件のもう一つのメリットは、既存の家具や家電の損耗や破損に対して借主が責任を負わないことです。そのため、破損やクリーニング費用が発生したり、家具や家電を交換したりしなければならないリスクがありません。
デメリット
家具家電なし物件の最大のデメリットは、入居までに時間と費用がかかり、手間も多いという点です。家具や家電を自分で購入し、配送や搬入の手配をし、さらに組み立てや設置もしなければなりません。購入するものによっては、必要なものをすべて揃えて快適に暮らせる状態になるまでに、1ヶ月以上かかることもあります。
家具家電なし物件は、一から家具をそろえるのに時間も労力もかかるため、短期滞在や一時的な利用を考えている方には、コスト面でも負担が大きく、あまり現実的な選択肢とは言えません。
家具や家電を自分で購入するということは、それらの維持管理も入居者自身の責任になるということです。使用による損耗や故障があった場合も、自分で対応しなければなりません。
また、退去時には、家具や家電を解体・取り外し・梱包して新居に運ぶか、処分・売却・寄付する必要があります。特に処分する場合は、手間も時間もかかり、費用が発生することもあります。
考慮すべき点

物件探しをする際には、以下の点を考慮する必要があります。
- 短期の物件または長期の物件のどちらを探しているか。
- 時間: すぐに生活を始める必要があるか、それとも自分で家具をそろえる時間があるか。
- 予算: 月々の家賃を多く支払うか、それとも家具・家電の購入にかかる初期費用をかけるか。
- ライフスタイル: すぐに住める家具家電付きの便利さを取るか、自分好みにカスタマイズできる自由さを重視するか。
家具家電なし物件を借りたいけれど、生活に必要な備品を自分で探して購入し、組み立て・設置するのはちょっと面倒という方には、滞在期間中に家具や家電をレンタルできるサービスを提供している不動産会社や企業もあります。ビレッジハウスもそのひとつです。ビレッジハウスは、日本全国47都道府県に1,000件以上の賃貸住宅を提供しているだけでなく、物件によっては「オプション設備の追加」をご利用いただけます。この「オプション設備の追加」では、エアコン、洗面台、ウォシュレット付きトイレ、ガスコンロなどの設備を、わずかな家賃の追加でレンタル・設置することが可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
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フリーライターとしてVillage House Blogで2年以上の執筆およびESL教師の経験を持ち、チェコ共和国、英国、アラブ首長国連邦、日本、さらに直近ではジョージアなどの国での生活経験を有するデジタルノマドです。映画祭、コンサート、劇場に行く楽しみがないときのリモートワークに最適な、魅力あるアパートを常に探しています。