「引越しをしたら住民税の扱いはどうなるの?」「新住所へ住民税を納税するのはいつからなのか」と、気になっている方も多いでしょう。また、「手続きをしていなかったら二重請求される?」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、引越し後の住民税はどこに支払うのか、そして会社員・個人事業主・フリーターなどの手続き方法を紹介します。住民税ついて正しく理解しておきましょう。
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住民税とは
住民税とは、その地域に住む人々に課せられる「都道府県民税」と「市区町村民税」を合わせた税金です。総所得のうち都道府県民税が4%、市区町村民税が6%と設定されており、合計で10%が住民税として徴収されます。なお納税額は、合計所得から所得控除を差し引いた金額を基に計算されます。
また、住民税は一定以上の所得がある人に課税されます。例えば給与所得の場合、給与所得控除55万円と基礎控除43万円(ただし、合計所得金額が高いほど基礎控除は減少または消失します)を差し引いた後の所得額に対して課税されます。つまり、年間の所得が98万円以下であれば、住民税を支払う必要はありません。
引越し後の住民税はどこに支払うのか
引っ越しをして住む市区町村が変わった場合、住民税を納めるのは新しい住所ではなく、旧住所の市区町村に納税します。住民税は、「1月1日時点で住民票がある自治体」によって、前年1月1日から12月31日までの所得に基づいて課税される仕組みです。
例えば、A市に住んでいて2023年1月5日にB市に引っ越した場合、2023年分の住民税は2023年1月1日時点で住んでいたA市に納税します。そのため、引越しをしても旧住所であるA市から住民税の納付書が届くのです。
つまり、住民税の納付先が新しい住所の自治体に変わるのは、「引っ越し後、最初に迎える1月1日以降」からとなります。そのため、旧住所の自治体から納付書が届いても、それは正しい手続きですので安心してください。
二重請求されるという可能性はない
「旧住所」と「新住所」の両方の市区町村から住民税が二重に請求されるのでは?と心配に感じている方もいるでしょう。しかし、住民税の二重請求の発生はないので安心してください。住民税の納付先の変更手続きは、自動的に役所が手続きをします。ただし、引越しする場合は「転出届」と「転入届」を提出する必要があります。
仮に、転出届や転入届を提出しないままでいると、住民税は引っ越し前の自治体から引き続き請求されるケースも。さらに、手続きを怠った場合、最大5万円の過料を科される可能性もあるため注意しましょう。
引越し前後は慌ただしいですが、転出届および転入届の提出は引っ越しから14日以内に手続きしましょう。
住民税の手続き方法
会社員
会社員の場合、「住民税を支払った記憶がない」と不安に感じる方もいるでしょう。しかし、心配しなくても大丈夫です。会社員の場合、住民税は毎月の給与から天引きされ、会社が代わりに自治体へ納付しています。そのため、基本的に自分で納税の手続きをする必要はありません。
通常、住民税は1年間の税額を12分割し、毎月の給与から差し引かれています。会社が責任を持って適切な納付先に支払う仕組みとなっているため、特に意識する必要はありません。
ただし、会社員であっても、転出届や転入届の提出は自分で行う必要があります。また、新しい住所は必ず会社に報告しましょう。それさえ忘れなければ、住民税について特別な手続きは不要です。
また、「年度途中で退職した場合、給与から天引きされなくなった住民税はどうすればいいのか」と不安になる方もいるでしょう。この場合、未納分を一括で支払う方法がありますので、退職前に会社に相談してください。
個人事業主・フリーター
個人事業主やフリーターの収入が100万円を超える場合、確定申告を行い、住民税を支払う必要があります。確定申告後、役所から納付書が郵送されたら内容に従い自分で納税します。住民税の支払い方法には、一括払いと4回の分割払いがあり、自分に合った方法を選ぶことが可能です。
納付期限を過ぎると、多くの場合20日以内に督促状が届きます。なお、納付期限を過ぎても納付しなかった場合、延滞金が発生します。督促状を無視したり、分割払いの約束を守らなかったりすると、財産調査や資産の差し押さえなど、強制執行に進むケースもあるため注意が必要です。
住民税の納付は国民としての重要な義務です。納付書に記載されている納付期限を確認し、必ず期限内に支払うよう心がけましょう。
ふるさと納税で住民税をお得に支払う
住民税を納税するなら、お得に支払いたいですよね。そこでおすすめするのが「ふるさと納税」です。ふるさと納税とは、自分の好きな地域を選んで寄付するという形で応援しつつ、寄付の際には返礼品が受け取れる制度です。
ふるさと納税を利用すると、寄付金控除が適用されるため所得税や住民税が控除されます。ただし、支払うべき税金が減る訳ではないため、節税・減税にはなりません。さらに、ふるさと納税には2,000円の自己負担金がかかるため、実際に控除される額は「寄付金額-2,000円」で計算されます。
一見すると、「自己負担があるなら損ではないか」と感じるかもしれません。しかし、寄付金額の最大3割相当の返礼品が受け取れるため、金額的なメリットが大きいのも特徴です。ふるさと納税は、地域を応援しながら実用的な返礼品を受け取れる、魅力的な仕組みといえるでしょう。
ふるさと納税のメリット
お得な返礼品がもらえる
ふるさと納税は寄付すると、自治体からお肉や果物、お米や魚介類など、地域の特産品などの返礼品が届きます。他にも、化粧品や家具、イベントのチケットや旅行券などを用意している自治体もあります。
寄付したお金は税金から控除される
ふるさと納税は、控除の上限額内で寄付をすると最初の2,000円のみが自己負担となり、それを差し引いた金額に対し、税金の控除や還付が適用されます。たとえば、4万円を寄付した場合、自己負担額の2,000円を除いた3万8,000円分が所得税の還付や住民税の控除の対象となるのです。
ポイントが貯まる
ふるさと納税サイトでは、寄付金額に応じてポイントの付与や、溜まったポイントを寄付の支払いに利用できるサービスを提供しています。また、支払いをクレジットカード決済にすると、金額に応じたポイントが貯まります。
応援した自治体へ寄付できる
ふるさと納税の趣旨は、自分が応援したい自治体に寄付をすることです。また、寄付する自治体は出身地や以前居住していた場所などの制限がないため、自由に選べるのもメリットといえるでしょう。
ふるさと納税のデメリット
所得税や住民税の節税にはならない
ふるさと納税は所得税や住民税が減少するわけではなく、税金を納める自治体を自身で選べる制度です。節税や減税を目的としたものではないため注意してください。
自己負担金が必要
ふるさと納税は少なくとも2,000円の自己負担金が必要です。そのため、全額が税金の控除対象になるのではなく、2,000円を超える金額が控除の対象となります。例えば、10,000円寄付した場合、控除対象となるのは8,000円となるわけです。
控除されるのは翌年度になる
ふるさと納税の控除対象となるのは、その年の1~12月に寄付した金額が対象です。この期間に寄付した金額は、翌年度の所得税や住民税から控除される仕組みとなります。恩恵を受けるにはタイムラグが発生するため、一時的に資金不足になる可能性があるため注意しましょう。
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ライターのどいまちこです。
建築科で勉強した知識を活かし、住宅や暮らしにまつわるライターとして3年以上の執筆経験があります。セルフリノベーションが趣味で、ペンキ塗りや壁紙貼りが得意です。
現在、祖父母から受け継いだ築80年以上の古民家を繕いながら、保護猫2匹と娘のふたりでゆるりと暮らしています。
畑で採れた野菜と父が釣ってきた魚などを簡単に調理し、暑い日にはキンキンに冷えたビール、寒い日はホカホカと温まる熱燗を嗜む時が至福のひとときです。