日本には、あなたの人生を豊かにしてくれる小説がたくさんあります!日本にお住まいでしたら、これを機に、日本が舞台の作品や日本人作家の作品を読んでみてはいかがでしょうか。日本という国に、より親近感がわきますよ。
コロナ対策(集団行動の回避、ソーシャルディスタンスの確保など)の実施に伴い、人と交流する機会が減り、ネットのSNS上でのトラブルなどもあいまって、孤独感を感じる人も多いのではないでしょうか。読書は、そんなあなたの孤独感を和らげてくれるツールとなります。これを機に、日本の小説を読んでみてはいかがでしょうか。日本という国が、もっと身近に感じられると思いますよ!
現代の日本で活躍する小説家たちは、才能ある小説家として世界的に知られています。 村田沙耶香、川上未映子、川上弘美、小川洋子など、そのほとんどが女性ですが、彼らは、世界中の人々に広く知られ、愛されています。
今回は、日本で暮らしている本好きなあなたに、日本の小説をいくつか紹介したいと思います。ぜひ参考にして下さいね!
コンビニ人間 – 村田沙耶香
村田沙耶香の傑作といえば、「コンビニ人間」(2018年)です。
こちらの短編小説は、東京のコンビニでアルバイトとして18年間働いている「恵子」という女性が主人公です。日本では、コンビニは大勢の人が頻繁に利用する所であり、私たちの生活になくてはならない存在です。
「コンビニ人間」では、資本主義の末端で働く人間が描かれており、現代の日本社会を垣間見ることができます。「いつでも替えの利く社会の歯車」として働く恵子を通して、社会では受け入れられにくい異質な存在、日本の労働文化やメンタルヘルスの問題、社会的義務、社会不適合者など、さまざまな問題について鋭く洞察しています。
乳と卵 – 川上未映子
川上未映子も、日本を代表する現代小説家の一人です。「乳と卵」では、親しみやすい文体で、現代に生きる女性の生き様を鋭く洞察しています。
「乳と卵」の登場人物は、30代に差し掛かった夏子と大阪から上京してきた姉の巻子、そしてその娘の緑子です。魅力的な巻子のことが気になって、思わずページをめくってしまう人も多いかもしれませんね!
女性の性や生殖をテーマにしている小説をお探しでしたら、「乳と卵」がお勧めです!
作品を通して、「母性」「身体観」「豊胸手術」「シングルマザー」「思春期」など、様々なテーマが取り上げられています。
また、他の作品と同じく、「乳と卵」の舞台も東京です。大阪人である巻子の視点から、東京が描かれています。また、大阪の京橋も出てきます。あなたが見知っている場所が出てくるかどうか、チェックしながら読んでみて下さいね!
1Q84 –村上春樹
日本の小説は、村上春樹なくては語れません。村上春樹は、日本を代表する著名な作家です。簡潔で独特な文体は、世界中の読者に支持されています。
東京が舞台の「1Q84」は、彼の最高傑作だといわれています。ただし、魔術的リアリズムとよばれる手法を用いているため、「1Q84」に出てくる日本は、私たちが暮らしている日本とは全く別物です。
「1Q84」の主人公の、かつて小学校の同級生だった天吾と青豆は、現実とは少し異なる異世界に個別に入り込みます。なんとも不思議な世界観ですよね。
ディストピアを描いた「1Q84」のタイトルやテーマは、ジョージ・オーウェルが著した「1984年」と密接な関係があります。ストーリーは3部で構成されており、1部1冊ずつ別々の本に収録されています。ですので、すべて読み終えるには、少々時間がかかるかもしれませんね!
男女の悲しい恋愛を描いた「1Q84」には、「カルト宗教」「月」「ティーンエージャー」「他の存在に入り込むスモール・ピープル」など 様々なキーワードが登場します。欧米の有名なクラシック曲も登場して、作品を通して、村上春樹の独特な美学が伝わってきます。
パチンコ – イ・ミンジン
米国在住の韓国系アメリカ人のイ・ミンジンによる「パチンコ」は、20世紀の日本で暮らす韓国系移民の実情を描いたノンフィクション作品です。移民の実情に興味がある人は、ぜひ読んでみて下さいね。
「パチンコ」のお話は、釜山沖の影島から始まります。その後、大阪の路上、パチンコ店、早稲田大学、長崎、六本木、長野、東京など、舞台が転々とするので、まるで日本中を旅しているような気分になります!
漁夫の娘のスンジャは、年上の既婚男性に誘惑され子供を妊娠してしまいます。その男性とは別れ、別の男性と結婚したスンジャは、夫と共に韓国から大阪へ移住してきます。「パチンコ」では、スンジャとその夫はもちろん、スンジャの子供や孫世代が受けた差別や苦労が描かれています。登場人物たちが希望を抱き、艱難に耐える姿は痛ましく、悲哀が強く感じられます。
日本で活躍する多くの小説家たちは、才能ある現代作家として世界的に知られています。日本の小説が、世界中で大きな注目を集めていることは間違いないでしょう。
あなたが外国人で、日本文化や日本人の精神を身近に感じたいのであれば、日本の小説を読んでみてはいかがでしょうか。