台風は1991年~2020年の30年平均で年25個ほど発生し、うち12個が日本に接近したうえで3個が上陸します。とりわけ九州地方は1951年の統計開始以降、上陸数トップの鹿児島県(42個)を筆頭に全体の4割が上陸するため「台風の通りみち」といえます。
(台風の平年値:https://www.data.jma.go.jp/yoho/typhoon/statistics/average/average.html)
(台風の上陸数:https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/ranking/landing.html)
台風は日本のはるか南、赤道付近の海上でそのほとんどが発生します。あまり知られていませんが実は台風自体に推進力は無く、低緯度では東風に乗って北西に進み、中緯度になると偏西風に乗って東に進み日本付近にやってきます。その旅の途中で高い海水温による上昇気流の力で発達し日本にやってきます。
今回は毎年8月から10月にかけて猛威を振るう台風への備え方や、防災グッズ、そして賃貸物件を選ぶ際のポイントなどを紹介したいと思います。
1.事前の備え
台風の進路予測は難しいですが、発生から接近するまでの時間予測ができるため、比較的備えやすい災害と言えます。そこで代表的な台風対策をご紹介します。
- 暴風に対する備え
庭やベランダに出してある小物を室内に移動
自転車や物干し台などあらかじめ倒してロープで固定
窓ガラスに養生テープ(物が飛んできて割れた際飛び散らないように)
- 大雨に対するの備え
浸水を防ぐ土嚢の準備
- 停電に対する備え
水の確保(トイレ用に風呂を溜めておく)
懐中電灯、ランタン、ろうそく等 照明ツール
カセットコンロ
ここ数年「防災グッズ・セット」が注目を集めたり、日本政府はチェックシートが作成するなど、自然災害に対する意識は社会全体でも高まっています。(首相官邸チェックシート:https://www.kantei.go.jp/jp/content/000111250.pdf)
そんな中、時代の流れにより「備え」の内容も変化しています。例えば近年はスマートフォン等の普及による「モバイルバッテリー」や、コロナ禍によるマスク・アルコール消毒・体温計などの「感染症対策グッズ」などは皆さんご承知の通りでしょう。
2.防災ライフハック
普段から「災害に備えないと」と思いながら、忙しく実行に移せない方も多いと思います。
いざという時に何を持って避難すれば良いか。。。そんな時に思いもよらない日用品が防災アイテムとして役立ちます。それは「食品用ラップフィルム」その使い道は様々です。
- 食器に被せて節水
食品が直接触れないので洗い物が無くなります。
- 丸めて洗浄スポンジ
災害時に持って出ないがあると便利なスポンジ。
- 細く撚ってロープ
ラップは長いものだと50mもある。※三つ編みにすることで強度アップ
- 包んで消臭
生ゴミやオムツなど高い密着力で臭いを封じ込め。
- 手に被せて手袋
避難場所での感染症対策に不可欠。
- 体に巻いて防寒
風を通さないので体温維持に。※タオルの上から巻くことで更に暖かい
- 包帯として
ガーゼの上から傷口を抑えたり、腕を吊るときの三角巾代わりに
身近な日用品をちょっとした工夫で防災アイテムに!
日常生活の中で意外と身近なところに思いもよらない防災アイテムがあるかもしれませんね。
3.ハザードマップ
賃貸物件を選ぶ条件は何ですか?賃料・間取り・築年数・構造・周辺環境など様々ですが、意外と気にしないポイントとしてハザードマップがあります。賃貸借契約時の重要事項説明では「水害ハザードマップ」「土砂災害」「津波災害」など、災害リスクの説明が義務化されており、近年の災害意識の高まりと共にリスクを事前にチェックする事も条件の一つとなってきました。国土交通省ホームページにいろいろな種別の防災情報を見ることができる「災害ポータル」がありますので一度チェックしてみると良いでしょう。
(国土交通省:防災ポータルhttps://www.mlit.go.jp/river/bousai/olympic/prepare02/index.html)
まとめ
今回は台風からはじまり自然災害について色々とお伝えしてきましたが、結局のところ自然災害はいつ・どこで発生するか分かりません。ハザードマップや災害リスクを気にしたところで「100%安全な土地は無い」というのが事実です。
ただ「今住んでいる・これから住もうとしている土地」がどのような場所なのかを深く理解する事で、予期せぬ災害から身を守るための備えと心構えが出来るのではないでしょうか。
【その他参考Web資料】
気象庁_台風について https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/index.html
首相官邸_防災特集 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/2012bousai.html
国土交通省_ハザードマップ https://disaportal.gsi.go.jp/