今回は、日本に住む人や文化に興味がある人にだけでなく、全く興味がない人にもお勧めしたい素晴らしい作品を紹介したいと思います。
お勧めの日本映画は?
欧米出身の人々は、日本の映画といえば「アニメ」を思い浮かべます。日本はアニメ発祥の地ですから当然ですよね。毎年、あなたが思うよりも多くのアニメ作品がリリースされています。
ですが、日本の映画作品はアニメだけではありません。日本の映画界は、アニメが世界的に有名になるずっと昔から、映画作品を生み出してきました。
かつて日本には、名高い映画監督たちを輩出した映画の黄金期といわれる時代がありました。世界的に有名な映画監督である黒澤明、小津安二郎、小林正樹の名前を聞いた事はありませんか?彼らの作品は、今なお国境を越えて愛され続けています!
日本の古典映画
1. 七人の侍
黒澤監督の映画作品について、何からお話ししましょうか?
日本の映画作品が世界に知られるようになったのは、黒澤明監督の「羅生門」が1951年にベネチア映画祭で金獅子賞を受賞した事がきっかけです。それまで下火であった日本映画の火付け役となりました。
「七人の侍」は、黒澤作品の中でも特に傑作です。封建時代の日本を舞台に、野武士の盗賊たちから村を守る任務を負った七人の侍を描いています。作品の見どころは、日本の伝統的な文化と見事な戦闘シーンです。また、「名誉とは何か」についても考えさせられます。
セルジオ・レオーネ監督のイタリア製西部劇や、クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」を始めとして、様々な欧米の映画作品が「七人の侍」に影響を受けています。
伝統的な日本文化に興味がある人は、ぜひご覧下さいね。
2.東京物語
「東京物語」は、夫の周吉と妻のとみが大きくなった子供たちの家を訪れる物語で、私たちが避ける事の出来ない老いや歳月の移り変わりによる家族の在り方が描かれています。日本の映画作品によくみられる傾向ではありますが、この作品を見ていると、感傷的な気持ちにさせられます。「七人の侍」のテーマは「名誉」でしたが、「東京物語」では、「家族、喪失、孤独」が作品のテーマといえるでしょう。
伝統的な日本文化に興味がある人には、こちらの作品もお勧めです。戦前と戦後の視点を巧みに比較し、家族の価値観がバラバラになる様子を描いています。美しく、心に残る映画作品です。
現代の日本映画
日本映画は、1950年代が黄金期といわれています。ですが、素晴らしい映画作品は、現代でも生み出されています!近年の映画作品では、現在の暮らしぶりや文化がより反映されているので、日本で生活したいと考えている人にとっては、日本人の本質を知るいいきっかけになるかもしれませんね!
3.万引き家族
今の日本で最も影響が大きい映画監督と言えば、「幻の光」(1995)、「ワンダフルライフ」(1998)、「誰も知らない」(2004)、「そして父になる」(2013)で知られる是枝裕和監督です。作品が欧米で受け入れられている数少ない監督の一人であり、監督の名前は、日本の映画史に刻まれることでしょう。
「万引き家族」は、劣悪な環境で暮らしている貧しい家族が主人公です。古い住宅に、三世代で同居しています。小さな女の子を誘拐し、彼女を家族として迎え入れた事がきっかけで、
家族の運命が大きく変わってしまいます。
是枝監督は、作品を通して、高所得者層と低所得者層の断層を見事に表現しています。作品のテーマは「家族、喪失、虐待」ですが、一方で主人公たちの屈託のない暮らしぶりも描かれています。
メディアが表立って報道しない日本の実社会について知りたい人は、ぜひご覧下さい。
4.リンダリンダリンダ
「リンダリンダリンダ」は、山下敦弘監督による映画作品です。ガールズバンドの女子高生4人組が、文化祭で開催されるライブ本番に向けて奮闘する姿を描いています。とても面白い作品ですよ。
この作品を通して、日本での高校生活の様子を知る事ができます。今後、日本で暮らしたいと考えている人にとっては、参考になるかもしれません。この作品のテーマは友情です。一方で、ボーカル担当の韓国籍の女子高生の視点を通して、日本で移民として暮らす難しさも描かれています。
見落とされがちではありますが、とても良い作品です。機会があれば、ぜひご覧下さいね。
5. アキラ
日本のお家芸であるアニメといえば、「トトロ」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」など、スタジオジブリの作品を思い浮かべる人が多いかもしれません。ですが今回は、大友克洋監督によるマイナーな「アキラ」を紹介したいと思います。
近未来のネオ東京で繰り広げられる「アキラ」の主人公は、鉄雄という名前の奇妙な念力に目覚めた少年です。あらすじが分からなくても、なんだかとても面白そうですよね。「アキラ」は間違いなく、日本アニメの最高傑作といえるでしょう!
6.リング
ホラー映画を抜きにして、日本の映画を語る事はできません。ホラー作品は、日本で人気の高いジャンルです。日本におけるホラー作品の撮影手法は、とてもユニークです。欧米のホラー映画には、殺人鬼や化け物が頻繁に登場しますが、日本では…恐怖の対象が物体として現れる事はほとんどありません。日本独特の撮影手法といえるでしょう。
ホラー作品の傑作である「リング」は、世界中でセンセーションを巻き起こしました。
見た人は必ず呪い殺されてしまうビデオテープの恐怖を描いています。主人公は、ビデオテープの謎を追いますが、井戸から出て、さらにテレビの画面から這い出る女の子の呪いのせいで、次々と人が死んでしまいます。
アメリカのリメイク版「ザ・リング」もそれなりにヒットしましたが、一度日本版を観ると、アメリカ版には全く怖さを感じる事が出来ないそうですよ。
いかがでしたか?
今回は、ぜひ視聴してほしい日本の映画作品を6つ紹介しました。
私たちのレビューを鵜呑みにするのではなく、ぜひ自分の目でも確かめてみて下さいね。お気に入りの映画作品が見つかるといいですね!