生活していると、どうしても室内に傷がついてしまいます。その中でも気になるのがフローリングの傷やへこみ。退去する際、修繕費用がどのくらいかかるのか、不安になっている方も多いのではないでしょうか。
普通に暮らしていれば、室内のクリーニング費用のみで退去できます。ただし、不注意により付いた傷やへこみは、修繕費が入居者負担になる可能性もあります。
そこで本記事では、賃貸住宅のフローリングの補修について、修繕費の入居者負担について紹介します。小さな傷やへこみを直す方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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賃貸のフローリングの補修について
2020年4月に施工された賃貸借契約の法改正により、故意や不注意による傷や手入れ不足で発生した傷の修繕費用は、入居者が負担することになりました。しかし、日常生活によって避けられない部屋の劣化や損耗については大家が負担することが決められています。
つまり、賃貸物件に住んでいる間に発生した傷のすべてが入居者の負担になるわけではなく、原状回復義務の対象となる傷のみが入居者負担となるのです。なお、修繕費は退去時、敷金で清算されますが、修繕費が敷金を超えた場合や敷金なしの物件の場合は追加で支払う必要があります。
フローリングに付いた傷やへこみの補修の仕方
出典:楽天市場
フローリングの浅い擦り傷は、リペアキットを使用する
リペアキットは、ホームセンターやインターネット通販で購入可能です。費用も1,000~5,000円程度で手軽に直せます。ただし、リペアキットを使用する前に、必ず小さい傷で試してください。色が合わなくて目立ってしまうと逆効果となる場合があります。
フローリングのへこみはアイロンで補修する
木材は水分を含んで熱を与えると膨張します。無垢のフローリングであれば、アイロンを使用してへこみを目立たなく補修できます。しかし、複合方のフローロングでは表面の塗装が剥げてしまうためアイロンでの補修はしないでください。また、無垢材でコーティングされているフリーリングもアイロンでの補修はできないため注意しましょう。
ただし、うまく補修できなくて状態が悪化してしまった場合、修繕費用が高くなる可能性があるため注意してください。フローリングに傷やへこみが出来てしまったら、それ以上悪化しないようラグマットやカーペットなどを敷いて保護した方が良いでしょう。
故意や過失による傷やへこみは入居者が修繕費を負担する
- 物を床に落としてしまったときにできた傷やへこみ
- 家具を移動させる際にできた傷
- 椅子のキャスターにより付いた傷
- 犬や猫などが付けた傷 など
フローリングの補修費用は、使用する床材の価格や修繕業者によって異なります。国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインによると、原則として修繕は最小限に抑えるとなっています。しかしフローリングは他の部分との色の変化が目立ちやすいことから、全面的に張り替えることが多いようです。
一方で、フローリングに付いた傷の修繕に、火災保険が適用されるケースがあります。ただし、火災保険に「借家人賠償責任特約」に加入していること。
そして、傷がついた原因が、うっかり物を落として傷をつけてしまった、または子どもが食器を落としてしまうなど「不測かつ突発的な事故による破損」に限ります。また、傷以外のへこみや破損なども補償の対象となります。
経年劣化や自然消耗は大家さんが負担する
- 入居する以前からあった傷やへこみ
- 日光によるフローリングや壁紙の日焼け
- 雨漏りにより色落ちしたフローリングやはがれた壁紙
- 設置した家具によるへこみや日焼け跡 など
ガイドラインで定められているように、日常生活で避けられない傷やへこみ、そして劣化によるひび割れや色落ちは大家さんが修繕費を負担します。フローリング以外では、自然災害での破損や画鋲の跡、寿命により設備の故障による交換なども大家さんの負担となります。
床の傷を付けないための防止対策
出典:楽天市場
カーペットやラグマットを敷く
床のへこみを防止するには、カーペットやラグマットを敷くと効果的です。入居時、家具を搬入する前に敷いておくと、退去するまでへこみの心配をしなくて良くなるでしょう。価格も6畳程度の広さであれば、1万円未満で十分に揃えることができます。また、組み立て式の手頃な価格のマットもあるので、併せて利用するのもおすすめです。
キャスターが付いている椅子の下にはチェアマットを使う
リモートワークや在宅ワークで仕事をしている方は、キャスター付きの椅子を使っている方も多いでしょう。キャスター付きの椅子をフローリングで使用すると傷がつきやすくなります。
全体的にカーペットを敷くのも良いですが、椅子回りだけカバーするならチェアマットを敷くのもおすすめです。リーズナブルなもので2,000~3,000円。防音性能が高いものになると1万円前後で購入できます。
家具の足には専用の保護カバーを付ける
テーブルや椅子などの足には、保護カバーを付けましょう。気を付けていても、椅子を引いて傷やへこみの原因になることも。保護カバーは100円ショップで気軽に購入できます。
重さのある家具の下に敷板を設置する
食器棚や冷蔵庫といったような重さのある家具や家電は、床がへこみやすくなるため敷板を入れましょう。インターネット通販やホームセンターで販売しています。
入居前からある床の傷は負担しなくて良い
自分が付けていないと証明できれば、入居前からあるへこみや傷の修繕費は請求されません。多くの管理会社では、鍵と一緒に「室内チェック表(現状確認書)」を渡しています。
荷物を入れる前に室内をよく確認し、傷やへこみがないか必ずチェックしましょう。気になる箇所があれば、カメラで撮影するのもおすすめです。画像によって入居前の損傷を明確に証明できるため、退去時のトラブルを避けられます。
なお、室内チェック表には提出期限があり、住み始めてから1~2週間以内に郵送する必要があります。期限を過ぎると、入居前から存在していた不具合として扱ってもらえなくなるので注意してください。
修繕費で困ったときの対処法
入居前からあった傷やへこみなのに、修繕費を請求されていたら、管理会社や大家さんに確認してください。内容によっては請求自体なくなったり減額されたりする可能性があります。
また、以下に紹介する専門家に相談するのもおすすめです。「原状回復の修繕費用について相談させてほしい」と伝えると、適切なアドバイスが得られます。
消費者ホットライン | 電話番号:116 受付時間:都道府県により異なる |
国民生活センター | 電話番号:03-3446-1623 受付時間:10時~12時・13時~16時 土日祝日、年末年始を除く |
日本消費者協会 | 電話番号:03-5282-5319 受付時間:10時~12時・13時~15時 火曜・木曜・金曜日 |
不動産適正取引推進機構 | 電話番号:0570-021-030 受付時間:10時~16時 土日祝日、年末年始を除く |
日本賃貸住宅管理協会 | 相談は書面にて受付 (Webフォーム・FAX・郵便) 受付時間:10時~17時 土日祝日を除く |
法テラス | 電話番号:0570-078-374 受付時間:平日9時~21時・土9時~17時 日祝日、年末年始を除く |
ビレッジハウスが取り扱っている物件では、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の内容に基づいて退去費用が決定します。新しい移転先を探している方は、安心してビレッジハウスの賃貸物件をお選びください。
ライターのどいまちこです。
建築科で勉強した知識を活かし、住宅や暮らしにまつわるライターとして3年以上の執筆経験があります。セルフリノベーションが趣味で、ペンキ塗りや壁紙貼りが得意です。
現在、祖父母から受け継いだ築80年以上の古民家を繕いながら、保護猫2匹と娘のふたりでゆるりと暮らしています。
畑で採れた野菜と父が釣ってきた魚などを簡単に調理し、暑い日にはキンキンに冷えたビール、寒い日はホカホカと温まる熱燗を嗜む時が至福のひとときです。