新しいお部屋へのお引っ越し、おめでとうございます!荷解きも終わり、ようやく落ち着いてきた頃、ふと壁に目をやると、少し物足りなさを感じることはありませんか?「もう少し部屋に彩りや個性を加えたい」と思い、壁掛けアートを飾ることを検討される方も多いかもしれません。とはいえ、賃貸物件では壁に傷をつけるのは避けたいところです。そこで今回は、壁に穴を開けないでアートを楽しむ方法をご紹介します。
賃貸借契約書

インテリアにこだわる前に、まずは賃貸借契約書を確認しましょう。装飾や空間のアレンジについて、制限が設けられている場合があります。日本の賃貸住宅でも工夫次第でお部屋を自分らしく彩ることはできますが、大家さんや管理会社のルールに沿って行うことが大切です。
壁に穴を開けない

壁を傷つけずにアート作品を飾る、手軽でコストパフォーマンスの高い方法のひとつが、壁用粘着テープやコマンドストリップを使うことです。軽量の作品や小さめのフレームを掛けたいときに、これらの便利なアイテムは特におすすめです。壁とフレームの両方に貼り付けることで、釘やネジを使わずにしっかりと固定できるのが特長です。サイズや強度のバリエーションも豊富なので、さまざまな大きさや重さのアート作品にも柔軟に対応できます。
もう一つの選択肢は、Blu Tackやポスターパテを使うことです。どちらも感圧式の粘着パテの一種で、特にポスターや写真、チケットの半券など、軽いものを壁やドアに貼りたいときに、壁用粘着テープの代わりとして人気があります。Blu Tackは使いやすく、壁を傷つけることはありませんが、長時間貼ったままにしておくと、小さなシミが残ることがあります。また、壁にダメージを与えずに簡単に貼り直したり、剥がして再利用することも可能です。Blu Tackについて詳しくはこちらをご覧ください。
100円ショップや文房具店でほぼ確実に見つかるマスキングテープも、試してみる価値のある選択肢です。マスキングテープは、多目的な装飾用テープで、ポスターや写真などの軽いものを壁に貼るのに適しています。詳しくはこちらをご覧ください。
壁に何かを貼ったりくっつけたりするのが気になる場合は、S字フックやドアフックを試してみるのもおすすめです。S字フックは、手すりやドアの上部、あるいは壁の少し出っ張った部分などに引っ掛けて使うフックで、スチールやステンレスなどの丈夫な素材で作られていることが多く、重みのあるアート作品でもしっかり支えることができます。
注意点

上記の方法が自宅の壁に合うかどうか、またはダメージを与える可能性が気になる場合は、作品を飾りたい壁の目立たない場所で、あらかじめ製品を使って小さなテストをしておくと安心です。日本の住宅は壁が薄くて繊細なことが多いため、事前の確認をしておくに越したことはありません。
壁を傷つけたくない場合は、小さくて軽いアート作品や装飾を選ぶのも効果的です。こうしたアイテムは、壁用粘着テープやBlu Tack、マスキングテープなどで貼り付けるのに適しています。
もうひとつの選択肢として、フレームを使わずに飾る方法や、ポスターに絞るスタイルを取り入れてみるのもよいでしょう。アート作品やポスターに少し縁取りやアクセントカラーを加えたい場合は、マスキングテープを使って「枠」を作ることもできます。
ヒントとコツ

日本が湿気の多い国であることは、特に夏には言うまでもありません。そのため、壁に貼った接着剤が、気温と湿度が上がるにつれて剥がれてきてしまうことがあります。そんなときは、壁とアート作品の両方にしっかり密着する両面テープを使えば、壁の表面を傷つけることなく固定できます。また、100円ショップや文房具店では、湿気に強いタイプの接着剤も手に入ります。
壁のホコリや汚れをしっかり拭き取ってきれいにしておくことで、粘着テープやマスキングテープ、Blu Tackをより長持ちさせることができます。そうすることで、選んだ粘着アイテムが壁の表面にしっかりと密着しやすくなります。ただし、貼り付ける前に壁が完全に乾いていることを必ず確認してください。
日本の壁の多くは漆喰で仕上げられており、表面に質感があってやや柔らかいのが特徴です。そんな壁には、ピクチャーフックを使ってアート作品を飾ることができます。ピクチャーフックは、裏側に小さなピンが付いたプラスチック製のフックで、柔らかめの壁に押し込んで取り付けます。多少穴は開きますが、目立つような跡やへこみにはなりません。また、同様に押しピンを使って、軽めのアイテムを飾ることも可能です。
代替案

賃貸契約で壁の装飾が禁止されていたり、大家さんや管理会社の許可が得られない場合は、壁を飾ることで発生する可能性のある修繕費を避けるのが賢明かもしれません。その代わりに、ディスプレイキャビネットやオープンシェルフを購入して、アート作品や額縁を飾ってみるのもおすすめです。また、アートを壁に立てかけたり、部屋の隅に置いた椅子の上に立てかけてみるのもひとつの方法です。ほかにも、自立式のグリッドパネルを使ってS字フックや洗濯ばさみで作品を吊るしたり、コルクボードに押しピンで飾ったりする方法もあります。
一般的に、賃貸物件の契約では、壁の塗装や穴あけ、大規模な構造変更などの改造行為は控えるよう求められるか、明確に禁止されていることがほとんどです。そのため、契約書にサインする前に内容をしっかり確認し、空間に加えたい変更がある場合は、事前に家主や不動産会社に相談することが大切です。例えば、ビレッジハウスのような不動産会社のウェブサイトでは、メールで問い合わせができるほか、空室物件のデータベースを閲覧したり、内見予約を取ったりすることも可能です。
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フリーライターとしてVillage House Blogで2年以上の執筆およびESL教師の経験を持ち、チェコ共和国、英国、アラブ首長国連邦、日本、さらに直近ではジョージアなどの国での生活経験を有するデジタルノマドです。映画祭、コンサート、劇場に行く楽しみがないときのリモートワークに最適な、魅力あるアパートを常に探しています。