集合住宅には、敷地が広く、4~5階建ての屋上もある建物という特色を活かし、地域の『指定緊急避難場所』になっている物件があります。指定緊急避難場所とは、『津波、洪水等、災害による危険が切迫した状況において、住民等の生命の安全の確保を目的として住民等が緊急に避難する施設又は場所を位置付けるもの』とされています。
大地震体験者によると、震災直後に困ったのは、情報格差・水・衛生の3点だったという話があります。停電や電池不足などでテレビやラジオが使えず、スマートフォンや携帯電話を使用するしかありませんが、スマートフォンや携帯電話は家族などの安否連絡を優先したいため、バッテリー残量を気にしながら使わなければなりません。不安な状況の中、最新情報が入手できないのは辛いことです。水ですが、飲料水の他手洗いなど様々な場面で水が必要になりますが、被災時には水はすぐ買い占められ、ポリタンクもなく、給水車を待ち行列に並ぶしかないという状況にもなります。断水が続くと当然風呂も入れません。入浴できないと匂いやベタつきがきになり、その結果、衛生面での問題が発生します。災害が起きたとき、避難所はライフラインが復旧するまで、被災した人々が共同で生活する場所になります。避難所に集まって来る人々は様々な境遇の方が来られます。例えば、年齢や性別はもちろんのこと、持病やアレルギーなどの有無、外国人、妊婦の方など色々な方がおられます。避難所は、地域の皆さんが必要とする情報や、水、食料、物資を提供するなど、地域の復旧・復興を支援するための拠点施設としての役割も担います。
過去にビレッジハウスでは、ベトナム人入居者向けに、災害時の備えや行動などを学ぶイベントを開催しました。地震などの災害に慣れていない外国人も多いので、いざという時の身を守る行動の教えとして役立つだけでなく、地域との繋がりもできるきっかけとなりました。ベトナムでは地震がほとんどない国で、経験がないことから地震が起きたときのイメージがしにくいため、日常の備えや実際の避難行動を体験でき、いい経験になったものと思います。実際に地震が発生した際、どうしたらいいのか不安という声もあり、安心できたというお声も頂くことができました。
毎年のようにどこかで発生する災害ですが、市町村から避難情報が発令された場合には、テレビ・ラジオ・インターネット・携帯電話などの他、地域の広報車や防災無線などで直接伝えられます。警戒レベル1~5まであり、1:早期注意情報、2:注意報・警報、3:高齢者等避難、4:避難指示、5:緊急安全確保(既に災害が発生・切迫している状況)にレベル分けされています。普段からハザードマップ等により、自らの避難行動を確認することが大切です。自宅が安全だと判断できる場合は自宅に留まることも大切なのですが、早めに判断し、地域の『指定緊急避難場所』等へ速やかに避難し、自分の命は自分で守りましょう!